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2011 年度 実績報告書

生殖補助医療がヒト受精卵におよぼすエピジェネシス制御に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 22591817
研究機関東京大学

研究代表者

藤本 晃久  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (00323593)

キーワード体外受精 / 胚盤胞 / インプリンティング / エピジェネシス
研究概要

凍結保存胚の研究目的での使用に同意の得られた39組の夫婦、計78名より採血を行い、白血球よりDNAを抽出、PCR、ダイレクトシークエンス(もしくは制限酵素処理)によりいくつかのインプリンティング遺伝子のexonにおけるSNP(Single nucleotide polymorphism)を調べた。NDN exon1におけるMboI polymorphism、IGF2 exon9におけるApaI polymorphismについては、夫婦間の受精卵において発現アレルの解析が可能なカップルが、それぞれ10数組ずつ得られた。
インプリンティング遺伝子の胚盤胞における発現を確認するため、研究参加に同意が得られたが、夫婦のインプリンティング遺伝子解析の結果、発現アレルの同定が不可能で、研究に不適とされた夫婦間の凍結胚盤胞を融解し、DNA,RNA抽出、個々の胚盤胞におけるgenomic PCR, RT-PCRを行い、NDN, IGF2のSNPを含む領域の増幅を試みた。結果、genomic DNAによりDNAレベルでの増幅は安定した結果が得られたが、NDN, IGF2の発現が確認された胚盤胞はそれぞれ20-30%程度にとどまり、安定した発現が確認できなかった。
次に、DNAメチル化に関する解析の予備実験として、体外受精時に得られた廃棄前の顆粒膜細胞を用いて、genomic DNAを抽出、バイサルファイト処理を行った後、IGF2-H19のDMR領域をPCRにより増幅、制限酵素切断により、メチル化アレルおよび非メチル化アレルの存在、またその存在比を求めることに成功した。このことは、個々の胚盤胞において、制限酵素で認識される塩基のメチル化、非メチル化の程度を定量化でき、インプリンティング遺伝子発現制御の解析に大いに役立つ所見と思われる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

当初の課題であった、胚盤胞よりのDNA, RNA抽出については、条件が安定してきたものの、肝心のインプリンティング遺伝子発現が不安定であり、多数の胚盤胞を材料とした発現アレルに関する解析が困難であることが判明した。

今後の研究の推進方策

今後は、RNAレベルでの発現だけでなく、DNAレベルでのエピジェネシス制御である、メチル化に焦点を当てて解析をすすめる。具体的には、余剰胚盤胞よりゲノムDNAを抽出し、バイサルファイト処理後PCR、制限酵素切断を行い、メチル化・非メチル化の比を求めて、培養条件・受精方法などによる差異を比較する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Increased risk of placenta previa is associated with endometriosis and tubal factor infertility in assisted reproductive technology (ART) pregnancy2013

    • 著者名/発表者名
      Takemura;Osuga;Fujimoto;Oi;Tsutsumi;Koizumi;Harada;Yano;Taketani .
    • 雑誌名

      Gynecological Endocrinology

      巻: 29 ページ: 113-115

    • DOI

      doi: 10.3109/09513590.2012.706669.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Successful pregnancy following low-dose hCG administration in addition to hMG in a patient with hypothalamic amenorrhea due to weight loss2012

    • 著者名/発表者名
      Tsutsumi R, Fujimoto A, Osuga Y, Harada M, Takemura Y, Koizumi M, Yano T, Taketani Y.
    • 雑誌名

      Gynecol Endocrinol

      巻: 28 ページ: 460-462

    • DOI

      doi: 10.3109/09513590.2011.633650.

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The decision-making process for the fate of frozen embryos by Japanese infertile women: a qualitative study2012

    • 著者名/発表者名
      Takahashi S, Fujita M, Fujimoto A, Fujiwara T, Yano T, Tsutsumi O, Taketani Y, Akabayashi A.
    • 雑誌名

      BMC Medical Ethics

      巻: 13 ページ: 9

    • DOI

      doi: 10.1186/1472-6939-13-9.

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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