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2010 年度 実績報告書

炎症の観点からみた肥満妊娠と次世代へのエピジェネティクス制御に関する検討

研究課題

研究課題/領域番号 22591821
研究機関三重大学

研究代表者

杉山 隆  三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (10263005)

研究分担者 佐川 典正  三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00162321)
梅川 孝  三重大学, 医学部附属病院, 助教 (80422864)
村林 奈緒  三重大学, 医学部附属病院, 助教 (10378416)
キーワード肥満 / 妊娠 / マウス / DOHaD / エピジェネティク / プログラミング
研究概要

今回我々は肥満が妊娠母体および胎児に及ぼす影響を炎症性変化の関与という観点より明らかにするとともに、次世代への影響についてエピジェネティクス制御の視点よりヒトおよび高脂肪食摂取による肥満マウスモデルを用いた研究を計画した。
本研究を遂行するために、まず高脂肪食マウスモデルを確立した。本高脂肪食(high fat diet:HFD,60% of energy)摂取マウスでは、対照であるスタンダード食(normal chow diet:NCD)摂取マウスに比し、耐糖能が低下し、インスリン抵抗性(insulin resistance:IR)も高いことが判明した。またこれらのマウスを妊娠させると、HFD妊娠群はNCD非妊娠群よりも耐糖能が低く、IRが高くなることが確認された。本モデルの母獣の表現型として、脂肪細胞の肥大化を伴う脂肪量の増加、脂肪組織中のマクロファージ浸潤度の増加、炎症性のアディポサイトカイン(TNF-α,IL-6,MCP-1など)の血中レベルおよび脂肪組織におけるmRNA量の増加を呈した。一方、抗炎症性に作用するアディポネクチン発現低下を認めた。すなわち、妊娠マウスでは、非妊娠時の肥満マウスと同様、脂肪組織のマクロファージ浸潤の増加による炎症を介したアディポカインの発現調節異常が生じ、IRが生じることが示唆された。以上、母獣の表現型に関するデータを2つの英語論文としてまとめ、現在投稿中である。
一方、本モデルマウスの仔の検討も行った。本モデルでは、仔の発育は予想に反し、対照群と同様であることが判明した。しかし出生後の発育は、HFDの仔の発育が対照群に比し大きく子宮内の環境が出生後の仔の発育をプログラムした可能性が考えられ、本研究の目的であるエピジェネティクス制御に関し、次年度の研究を進めることが可能である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 高脂肪食負荷妊娠モデルマウスにおける胎仔発育と代謝に関する検討2010

    • 著者名/発表者名
      村林奈緒、杉山隆、張凌雲、梅川孝、佐川典正
    • 雑誌名

      糖尿病と妊娠

      巻: 10 ページ: 79-80

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 肥満妊娠におけるインスリン抵抗性と脂肪組織のマクロファージ亜型M1とM2の動態の関連:diet induced obesity(DIO)マウスモデルを用いた検討2010

    • 著者名/発表者名
      張凌雲、杉山隆、村林奈緒、梅川孝、馬寧、神元有紀、長尾賢治、佐川典正
    • 雑誌名

      糖尿病と妊娠

      巻: 10 ページ: 81-84

    • 査読あり
  • [学会発表] わが国における妊婦のエネルギーおよび栄養素摂取量と児発育に関する検討2010

    • 著者名/発表者名
      杉山隆
    • 学会等名
      第62回日本産科婦人科学会学術集会
    • 発表場所
      東京フォーラム
    • 年月日
      2010-04-23

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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