研究概要 |
ゲノムワイドDNAメチル化情報解析法により子宮内膜症のDNAメチル化情報を検証し、環境ホルモン暴露の観点から子宮内膜症発症に関連する細胞のエピジェネティックな変化を網羅的に捉えることを目的として以下の実験を行った。増殖期のヒト増殖期子宮内膜間質細胞(ESC)、卵巣チョコレート嚢腫内膜間質細胞(choESC)をそれぞれ分離、培養した。DNAを抽出後、Human Methylation27(Illumina)を用いてゲノムワイドDNAメチル化の解析を行ったところ、choESCではESCに比較し、938CpGで脱メチル化、524CpGでメチル化が認められた。また、DNAメチル化、脱メチル化に関与する酵素(Dnmt1,Dnmt3a,Dnmt3b,Gadd45a)のmRNA発現を検討したが、ESCとchoESC間に発現の差は認められなかった。次に、2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin(TCDD):1nM添加D-MEM(10%FCS)で、ESCを6日間培養後、DNAを回収した。同様にHuman Methylation27を用いてゲノムワイドDNAメチル化の解析を行ったところ、TCDD添加によって数個の遺伝子群でDNAメチル化の変化が認められた。現在、その遺伝子について発現解析等を行っている。
|