研究課題/領域番号 |
22591825
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
山縣 芳明 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (30363120)
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研究分担者 |
竹谷 俊明 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (70464328)
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キーワード | 子宮内膜症 / DNA メチル化 |
研究概要 |
ゲノムワイドDNAメチル化情報解析法により子宮内膜症のDNAメチル化情報を検証し、環境ホルモン暴露の観点から子宮内膜症発症に関連する細胞のエピジェネティックな変化を網羅的に捉えることを目的として以下の実験を行った。まず、増殖期のヒト増殖期子宮内膜間質細胞(ESC)、卵巣チョコレート嚢腫内膜間質細胞(choESC)をそれぞれ分離、培養した。DNAを抽出後、Human Methylation27 (Illumina)を用いてゲノムワイドDNAメチル化の解析を行ったところ、choESCではESCに比較し、938CpGで脱メチル化、524CpGでメチル化が認められた。また、Dnmtなどのeigenetic修飾に関与する酵素のmRNA発現をRT-PCR arrayによって検討したが、ESCとchoESC間に発現量の差は認められなかった。また、ESCとchoESC間でトランスクリプトーム解析を行ったところ、多くの遺伝子に変化が認められた。次に、2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxin(TCDD):1nM 添加 D-MEM(10%FCS)で、ESCを6日間培養した後のゲノムワイドDNAメチル化の解析結果を行ったが、メチル化の変化は比較的少なかったため、現在、TCDD:10nM添加、14日間培養に培養条件を変更し、引き続きDNAメチル化解析を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
正所性内膜と異所性内膜の比較については、順調にゲノムワイドDNAメチル化解析は終了した。子宮内膜間質細胞にTCDDを添加する実験については、培養条件設定の難しさがあり、まだ確定的な結果を得ていないものの、ゲノムワイドDNAメチル化解析は進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
ゲノムワイドDNAメチル化解析方法に関しては、従来、Tissue-dependent and differentially methylated region profiling with restriction tag-mediated amplification(D-REAM)法により、行う予定であったが、手技の容易さ、正確性、解析できる領域の多さから、代わりにIllumina社のHumanmethylation450を用いて行うこととする。環境ホルモンであるダイオキシン2,3,7,8-tetrachlorodibenzo-p-dioxinが子宮内膜間質細胞のDNAメチル化プロファイルに与える影響について検討している。計画では、腹膜細胞に対しても検討を行う予定であったが、細胞培養条件の検討に予想外に時間を要したため、腹膜細胞の実験はひとまず取りやめ、子宮内膜間質細胞に集中して実験を行う。
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