研究課題/領域番号 |
22591828
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
竹田 直樹 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 助教 (90304998)
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キーワード | 精子 / ES細胞 / Protamine / 核凝縮 / haploinsufficiency |
研究概要 |
ヒトの不妊の原因は多岐にわたり、そのうち男性不妊の頻度は約半数とされているが、子孫を得られない特性から、その遺伝的要因については未だに不明な点が多い。また子孫が得られない為実験動物においても変異体が得られなかったり、維持できない為に解析が困難である。その様な中で精細胞に特異的に発現する極めて特徴的なDNA結合タンパク質であるプロタミン類の発現低下が不妊に関係しているという知見がヒト症例において数多く報告されている。そこでその1つであるProtamine2 (Prm2)遺伝子を、ES細胞を用いた遺伝子相同組換え技術により破壊したノックアウトマウスを作製し解析をおこなう事を目的とする。 プロタミン遺伝子群はPrm1、Prm2、Prm3、Tnp2から成るクラスターを成している。このgenome領域は精巣では非常に活発に発現しているが、それ以外の組織やES細胞内では不活化されているために相同組換えが極めて生じにくいと予想される。さらにPrm2遺伝子は2エクソンから構成されるが、合計723bpと非常に短いため相同組換えに必要な特異的な配列が少ない事も相同組換え頻度低下の一因になると思われる。さらにハプロ不全の表現型を示す事から雄キメラマウスで不妊となる事が予想される。この様な状況を加味し、相同領域を約8kb程度に設定し、かつPCRスクリーニングを前提としたターゲティングベクターを構築し、ES細胞への導入をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初作製したベクターで相同組換え体が得られないことから、ベクターの再構築をおこなっているため。
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今後の研究の推進方策 |
再構築したベクターで相同組換え体の単離作製を試みる。その後キメラマウスを作出して、系統化をおこなう。雌で系統を維持し、不妊と期待される雄で解析をおこなう。
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