研究課題
基盤研究(C)
胎児発育不全におけるエピジェネティクス分析と関連遺伝子の解析として、14 番染色体のインプリンティング解析を施行し、不育症における染色体不分離に関与する SYCP3 と凝固系に関連する ANXA5 の遺伝子多型解析を行った。エピジェネティクス解析として、羊水過多、胎児胸郭低形成・腹部膨満を伴う症例において、胎盤・臍帯血の FISH 解析、エピジェネティクス分析をして、両親の末梢血のメチル化などエピゲノム分析し、胎児父性 14 染色体ダイソミーと診断された。また、父性 14 染色体ダイソミーと関連する疾患について、胎盤における遺伝子解析と組織学的分析が施行された。習慣流産 101 名、コントロール 82 名より説明と同意の上で採血し、DNA 抽出、SYCP3 遺伝子のエクソン 1 からエクソン 8 とその周辺領域でプライマーを設定して PCR し、ダイレクトシークエンスで塩基配列を解析した。また、習慣流産患者のうち前回までの流産のときの絨毛染色体分析結果を含めて解析した。 SYCP3 のエクソン 8 のスプライシング領域において 653A>G 変異が習慣流産患者 1 名とコントロール 1 名で見つかった。アネキシンについては Annexin A5 の 6つの SNP 間での強い連鎖不平衡と有意な相関を認めた。Max 検定の結果からはすべての SNP でdominant モデルが選択された。ハプロタイプ解析では A-C-C-A-G-T で有意差が認められた(p=0.02)。ANXA5 の遺伝子多型解析において先行研究と同様に流産との関連性を検出し、これらが dominant モデルであることも統計的に確認できた。
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