研究課題/領域番号 |
22591832
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
佐道 俊幸 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (50275335)
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研究分担者 |
小林 浩 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40178330)
吉田 昭三 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (40347555)
成瀬 勝彦 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70453165)
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キーワード | 早産 / 炎症 / サイトカイン |
研究概要 |
大豆ビクニンの抗炎症作用に対する基礎的検討結果: (1)抗炎症作用の評価:単球細胞内シグナル伝達系の抑制実験 マウス単球細胞培養系にリポポリサッカライド100ng/ml添加することにより、細胞内リン酸化蛋白としてMAPキナーゼのMEK1/2・ERK1/2、JNK、p38、PI3キナーゼ・Akt系のリン酸化が起こることをウエスタンブロットで確認した。 (2)大豆ビクニンによる細胞内蛋白リン酸化抑制実験 培養細胞に事前に大豆ビクニンを1μM添加しておき、その後30分後にリポポリサッカライド100ng/ml添加することにより、細胞内蛋白リン酸化としてMAPキナーゼのMEK1/2・ERK1/2、JNK、p38、PI3キナーゼ-Akt系のリン酸化が抑制された。大豆ビクニン抑制効果は濃度依存性であり、1~5μM濃度で薬70%の抑制を認めた。 (3)大豆ビクニンによるサイトカイン産生抑制実験 培養細胞に事前に大豆ビクニンを5μM添加しておき、リポポリサッカライド100ng/ml添加することにより、サイトカイン(IL-1β、TNF-α、IL-6、IL-8)の産生がそれぞれ60~90%抑制された。 (4)マイクロアレイ法による遺伝子発現実験 マクロファージに大豆ビクニンを添加したときの遺伝子発現の相違について、マイクロアレイおよびGene Ontology解析を行い遺伝子発現とパスウエイ解析を行った結果、NF-kappaBおよびEgr-1といった炎症に関連する転写因子発現が制御されていた。以上より大豆ビクニンの抗炎症効果が確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大豆ビクニンによる抗炎症作用を基礎的に解析することに、想定以上に時間を要したため、全体のスケジュールがやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
上記基礎研究を発展させ、動物実験を計画中であり、現在準備を行っている。ほぼ準備は完了しており、早々に実験を開始できる見込みである。
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