研究課題/領域番号 |
22591853
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
西尾 真一 信州大学, 医学部附属病院, 助教 (30467146)
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研究分担者 |
駒津 光久 信州大学, 医学系研究科, 教授 (90221978)
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キーワード | エストロゲン / 膵β細胞 / 転写調節因子 / インスリンプロモーター |
研究概要 |
我々はエストロゲン受容体とインスリン発現の関係についてtransient transfectionによる解析を試み,エストロゲン受容体(ERα)がエストロゲン依存的にインスリンプロモーターの転写を抑制するという結果を得た。これらの事象がどのようなメカニズムで起きるのか解明することを目的とする。これまでの実験結果より、ERαはエストロゲンに依存してラットインスリンプロモーター上転写開始地点より-238から-148bp上流に位置するE2regionに作用することがわかった。この部位には膵β細胞特異的転写因子であるPDX-1、BETA2/E47が関係することが知られている。エストロゲンの結合したERαはPDX-1、BETA2およびE47となんらかの相互作用をしている可能性がある。Gal4キメラシステムによるルシフェラーゼアッセイの結果からERαはE2存在下においてPDX-1、BETA2と反応する可能性が示唆された。平成23年度の実績は以下の通りである。平成22年度に引き続きIn vitro pull down assayを行いligand依存的にERαとPDX-1、BETA2が結合する可能性のある結果を確認した。transient transfectionをハムスター膵β細胞HIT-T15以外にラットインスリノーマ細胞INS1を用いて行ったが、HIT細胞とは異なる結果を得た。現在実験系を再検討しているところである。またINS1細胞にエストラジオールを添加してQ-PCRを施行した。こちらも現在条件を検討している最中である。またゲルシフトアッセイおよびチップアッセイも準備中である。妊娠後期や閉経後のようなエストロゲンが増減している状態、あるいはエストロゲン製剤を投与するような状況下でのエネルギー、糖代謝バランスを解析することは臨床上においても極めて重要なことと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
他のグループから本研究と相反する結果が報告された。用いている培養細胞が異なっていたため、報告されている論文で用いられているものと同じ細胞を入手していくつかの実験をやり直している。そのため当初の予定よりやや遅れていると判断される。
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今後の研究の推進方策 |
申請者のデータは実験材料にハムスターの膵β細胞を用いており、他のグループのラット膵細胞を用いた結果と相反する部分がある。まず他のグループの実験を追試し、申請者の結果との相違の理由を検討する。当初の研究計画ではより分子生物学的に分子レベルのメカニズムを究明する予定であったが、培養細胞にエストロゲンを添加してのQ-PCRやラットやマウスの膵細胞を用いたin vivoの実験を行うなど研究計画を変更していく必要が生じている。
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