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2011 年度 実績報告書

卵巣明細胞腺癌の悪性進展機序の解明および新規治療標的分子に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22591860
研究機関横浜市立大学

研究代表者

宮城 悦子  横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (40275053)

研究分担者 平原 史樹  横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (30201734)
キーワード卵巣癌 / 浸潤 / 転移 / 明細胞腺癌 / アネキシンA4
研究概要

卵巣明細胞腺癌(OCCA)は化学療法抵抗性,予後不良の上皮性卵巣癌である.我々はOCCAに特徴的に高発現するタンパク質としてannexinA4(ANXA4>を見出し,OCCAの臨床病理学的特徴の解明に寄与すべく研究を進めている.OCCAが発現するANXA4には等電点の異なる2種類のsubtypeが様々な量比で存在することを見出したことから,本研究では,subtypeの違いを切り口に,未だ明確にされていないOCCAにおけるANXA4の機能を解析することを目的としている.H22年度に,subtype存在比率の異なるANXA4を高発現するOCCA細胞株OVTOKO,OVISEを用いて,ANXA4 knock down(ANXA4_KO)安定株を用いた実験を行い,ANXA4_KOによる細胞増殖抑制効果,carboplatin抵抗性の改善効果,遊走・浸潤能抑制効果にsubtype存在比率が関与する可能性を示す結果を得ている.H23年度は,subtypeの構造差を解析すべく,薬物処理によって2次元電気泳動上での変化を検討する,また,臨床検体におけるsubtype差を解明する計画とした.
構造差に関して,リン酸化,リジン残基のアセチル化,もしくは,カルシウムイオン結合の相違によるものと仮定して,それぞれphosphatase処理,KDAC(リジン脱アセチル化酵素)阻害剤処理,EDTAによる2価陽イオンのキレート処理を行い,2次元電気泳動でsubtypeの存在比率を検討した.処理/非処理によってsubtype存在比率は変化せず,これら翻訳後修飾の関与は否定的である.導入したshRNAで分解されないANXA4発現vectorをANXA4_KO株に導入し構造差の再現性を検討中である.
外科切除したOCCAの凍結組織からタンパクを抽出し2次元電気泳動を行い,培養細胞株のみではなく実際の臨床検体でもANXA4のsubtypeが様々な比率で存在することを確認した.抗がん剤抵抗性,病期,予後などの臨床情報と比較検討したが,症例数が少なく有意な傾向は認めなかった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定した内容の研究は遂行した.

今後の研究の推進方策

KO株のphenotypeの変化がANXA4のsubtype存在比率の相違に基づくものであるか検証するため,変異体ANXA4をANXA4_KO株に再発現させて,再発現ANXA4のsubtype比率がWT株と同等であるか,phenotypeの変化がレスキューされうるかを検討する.
阻害剤を用いたANXA4抑制による効果を検討する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Functional analysis of annexinA4 and the implication in ovarian clear cell adenocarcinoma (OCCA) phenotypes2011

    • 著者名/発表者名
      最上多恵
    • 学会等名
      第70回日本癌学会学術総会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(愛知県)
    • 年月日
      2011-10-04
  • [学会発表] 卵巣明細胞腺癌におけるANXA4発現の解析2011

    • 著者名/発表者名
      最上多恵
    • 学会等名
      第10回日本婦人科がん分子標的研究会学術集会
    • 発表場所
      松江しんじ湖温泉ホテル一畑(島根県)
    • 年月日
      2011-07-02

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公開日: 2013-06-26  

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