研究課題/領域番号 |
22591861
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
川口 龍二 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (50382289)
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研究分担者 |
小林 浩 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (40178330)
吉澤 順子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (80526723)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 卵巣明細胞腺癌 / HNF-1beta / マイクロアレイ / 細胞周期 / 酸化ストレス / 卵巣子宮内膜症性嚢胞 / 癌化 / チェックポイント機構 |
研究概要 |
これまでの研究により子宮内膜症から卵巣明細胞腺癌の発生に関して転写因子HNF-1betaが重要な役割を担っている可能性が示された。さらに抗癌剤耐性についてもHNF-1betaの関与が疑われた。HNF-1beta(+)細胞株ではチェックポイント機構に異常をきたしており、遺伝子変異監視機能の低下をきたしていた。関与する因子としてHNF-1betaがchk1タンパクに作用していることが示された。DNA損傷応答において、主要なチェックポイントタンパクであるchk1はリン酸化することにより活性化し細胞周期を停止させる。HNF-1beta(+)細胞株では、DNA障害性薬剤の添加により持続的なchk1タンパクのリン酸化をきたし、細胞周期の停止の延長を認めた。しかし、HNF-1betaがchk1にどのように作用して持続的なリン酸化をもたらしているかは不明であった。現時点ではchk1タンパクの分解系であるプロテオソームに注目している。細胞内のシグナル伝達は、シグナルを受けてタンパクのリン酸化などの変化を伝えていくだけでなく、そのタンパクが分解するタイミングによっても影響を及ぼし、細胞内の複雑な応答を形成している。chk1はDNA損傷応答の主要なタンパクであるが、その上流のDNA損傷を認識するATR、ATM系とともに、プロテアソーム系による分解からも制御されている。プロテアソーム阻害剤であるMG132を明細胞腺癌株に添加したところ、MG132の毒性が非常に強く表れることが明らかとなった。MG132のタンパク阻害活性は10μMからとされているが、我々の実験では2μM 24hでほとんど生細胞を認めない状態であった。これは明細胞腺癌の細胞活性がプロテアソーム系に依存している可能性を示している。今後の展望はこのプロテアソーム阻害剤が明細胞腺癌にどのように作用するかを解明することが重要である。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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