研究課題/領域番号 |
22591865
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
津田 浩史 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00423880)
|
研究分担者 |
三木 義男 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (10281594)
|
キーワード | 上皮性卵巣癌 / パクリタキセル / プラチナ製剤 / 薬剤耐性 / 細胞アレイ |
研究概要 |
1.前年度に選別した上皮性卵巣癌のTC療法の効果を予測できる候補遺伝子156個と我々が以前報告した卵巣癌の予後と関与する遺伝子40個を対象にsiRNAを合成し、細胞アレイを作成した(Tominaga et al.Gynecol oncol 2010,Kataoka et al.Genes,Chromosomes&Cancer 2012)。 2.当初は卵巣癌症例から採取した組織の初代培養細胞を使用する予定であったが、安定した培養条件および抗癌剤至濃度の設定が困難であるため、卵巣癌細胞株を使用することにした。すなわちまず卵巣癌細胞株KFを対象に、combination Index Method(Chou TC,1996)により細胞アレイでのカルボプラチンとパクリタキセルの至適濃度を検討した。まず、1)96穴プレートに0-3000個の細胞を培養し72時間でconfluentになる細胞数を検討したところ1000個が適切であった。次に2)96穴プレートに1000個、2000個を培養し、PTX 50uM~100uMおよびCDDPでIC50(24時間)の濃度を決定した。なお測定キットとしてCell Counting Kit-8(細胞増殖/細胞毒性測定用試薬)を使用した。 3.次にKF株を対象にCDDPおよびPTXの48時間でのIC50を算出したところ、それぞれ10uMおよび7.5nMであった。 4.次にCDDP+PTXの併用時のIC50を算出したところ、それぞれの薬剤濃度は35%であった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)当初の計画では凍結組織にて実施予定であったが、汎用性を考えてパラフィン包埋組織での実施に変更した。 (2)卵巣癌細胞株2種類で実施予定であるが、シスプラチンおよびパクリタキセルの療法に耐性で、また倍加時間が適度でCell Counting Kit-8でカウントできる細胞株を選択するのに時間を要している。
|
今後の研究の推進方策 |
(1)シスプラチンおよびパクリタキセル両薬剤に耐性のKFrTXr株にても抗癌剤濃度を設定する。 (2)選択した細胞2種類(KF,KFrTx)を対象に、すでに作成した細胞アレイ上で培養した場合のトランスフェクション効率を確認する。 (3)選択した細胞2種類(KE,KFrTx)を対象に、細胞アレイを実施し、両薬剤の感受性が変化した遺伝子を選択する。 (4)選別した遺伝子でカスタムアレイを作成し、新規の臨床検体を対象にvali dation assayを施行し、カスタムアレイのTC療法効果予測精度を算出する。
|