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2010 年度 実績報告書

子宮内膜癌に頻発するMMR機構異常に伴う腫瘍免疫変化と抗癌剤ホルモン剤感受性変化

研究課題

研究課題/領域番号 22591867
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

進 伸幸  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90206459)

キーワード子宮内膜癌 / 腫瘍免疫 / MMR機構 / ホルモン感受性 / 黄体ホルモン療法
研究概要

子宮内膜癌の発生機序には、エストロゲン刺激、p53、K-ras等の遺伝子異常に加え、マイクロサテライト不安定性(MSI)も関与し、hMLH1のメチル化・遺伝子変異、hMSH6の遺伝子変異CHFR遺伝子のメチル化hMLH1のpromoter領域のメチル化が抗癌剤感受性に関与していることを報告してきた。
我々はさらに、腫瘍免疫の観点からCox(Cyclooxygenase)-2、FOXP3という制御性T細胞(Treg)特異的マーカー分子、細胞障害性T細胞のマーカーであるCD8の発現などの発現を検索し、Tregの浸潤が多い症例は低分化癌や進行癌で有意に多く予後が不良であること、Treg/CD8比が高い症例では予後が不良であることを見いだし、CD8+T細胞の浸潤が多くても、Tregの浸潤が凌駕する揚合は予後不良である可能性を明らかにした(投稿中)。
妊孕性温存目的の若年体癌症例に対する黄体ホルモン療法は、当院において1998年以降、複雑型異型内膜増殖症(AEH)51例、Ia期が推定される類内膜癌G1例(G1)81例に至り、その病変消失率はG1群91%、AEH群96%、病変消失までの日数の中央値は146日、56日でありG1群で有意に長く、観察期間中央値:G1群1007日、AEH群895日において、MPA初回治療後の2年/5年時再発率はG1群52%/83%、AEH群47%/63%と高値であることを確認した。この数値は今まで諸家より報告されていた数値より高値を示した。当院でのfollow upにおける脱落率が少ないことが本疾患の病態をより正確に把握できたと考えられた。また、29例延べ35回の妊娠が成立し、分娩後の2年/5年時再発率を検索したところ、G1群47%/73%、AEH群(6例)0%/0%でありG1群で高い傾向を認め、この分娩後の再発率は国内外を含め初めて示された(投稿準備中)。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 当施設における子宮体がん特殊組織型別予後データ2010

    • 著者名/発表者名
      進伸幸, 平沢晃, 田中京子, 阪埜浩司, 青木大輔
    • 学会等名
      婦人科がん肉腫研究会
    • 発表場所
      佐賀市
    • 年月日
      2010-12-05
  • [学会発表] Fertility-preserving high-dose medroxyprogesterone acetate (MPA) therapy for 4 young patients with grade 2 endometrioid adenocarcinoma.2010

    • 著者名/発表者名
      Susumu.N., Hirasawa A., Yamagami Y., et al.
    • 学会等名
      13rd Biennial Meeting International Gynecological Cancer Society
    • 発表場所
      Prague (Czech Republic)
    • 年月日
      2010-10-25
  • [学会発表] 子宮体癌治療のUP-DATE(化学療法を中心として)2010

    • 著者名/発表者名
      進伸幸, 野村弘行, 青木大輔
    • 学会等名
      化学療法セミナー
    • 発表場所
      金沢市(招請講演)
    • 年月日
      2010-09-19
  • [学会発表] 婦人科領域の癌治療の動向2010

    • 著者名/発表者名
      進伸幸
    • 学会等名
      第19回多摩臨床セミナー
    • 発表場所
      立川市(招請講演)
    • 年月日
      2010-05-22
  • [図書] 婦人科がん化学療法ハンドブック2011

    • 著者名/発表者名
      進伸幸, 平沢晃, 阪埜浩司, 青木大輔
    • 総ページ数
      96-99(179)
    • 出版者
      中外医学社

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公開日: 2012-07-19  

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