研究課題/領域番号 |
22591875
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩崎 真一 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (10359606)
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研究分担者 |
牛尾 宗貴 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70361483)
柿木 章伸 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60243820)
室伏 利久 帝京大学, 医学部附属溝口病院, 教授 (30242176)
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キーワード | 前庭 / 前庭誘発眼筋電位 / 前庭誘発頚筋電位 / 耳石器 |
研究概要 |
前庭誘発眼筋電位検査(ocular vestibular evoked myogenic potential:oVEMP)は、2005年にRosengrenらが、音響刺激に対して前庭由来と考えられる反応が得られることを最初に報告し、新たな前庭機能検査として急速に広まりつつある検査である。oVEMPは、下斜筋より発生する筋電位であり、前庭の中でも特に卵形嚢に起因する反応であることが推測されているが、直接的な証拠は得られていない。本研究では、oVEMPの発生メカニズムを明らかにすることを目的として、モルモットよりoVEMPの記録を試みた。 記録の方法としては、モルモットの前頭部正中に皮切を置き、頭蓋骨を露出させ、骨導刺激器を頭蓋骨に直接当てることにより骨導刺激を行った。記録電極は、眼窩下面より関電極を挿入し、眼球下面の外眼筋近傍に記録電極を当て、不関電極をその約1cm下方の皮下に刺入することにより記録を行った。 当初は、麻酔薬としてキシラジンとケタミンを使用し、麻酔がやや覚めて来た時点で記録を試みたが、予測された反応が得られなかった。筋弛緩作用のあるキシラジンに原因があるのではないかと考え、ケタミン単独の麻酔としたところ、刺激後3msecにピークをもつ、陰性波の記録が得られた。これが、前庭由来の反応であることを確認する目的で、対側耳の内耳破壊を行い、再度記録を行ったところ、潜時3msecの陰性波は振幅が小さくはなるものの、完全には消失せず、これが前庭由来の反応であるかどうかは明らかにならなかった。予定した反応が得られない原因について、関電極を刺入する深さが一定でないこと、刺激により頭部が動くこと、刺激の位置や強さが不適切であること、麻酔薬であるケタミンの影響などが考えられる。現在、反応の記録方や頭部の固定の仕方、麻酔薬の種類について検討を重ねている段階である。
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