研究課題/領域番号 |
22591885
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
平野 隆 大分大学, 医学部, 講師 (20305056)
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研究分担者 |
鈴木 正志 大分大学, 医学部, 教授 (60211314)
前田 一彦 大分大学, 医学部, 助教 (70527738)
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キーワード | インフルエンザ菌 / 制御性T細胞 / 自然免疫 / 慢性中耳炎 / 慢性感染 |
研究概要 |
外来微生物に対する生体防御機構は、好中球の活性化による貪食作用を中心とした自然免疫や、B細胞の活性化に伴う獲得免疫といった2つの防御機構が関与しているが、今回、内因性制御性T細胞が両防御機構に与える影響について検討した。まず、CD4+CD25+T細胞における好中球に対する影響について検討した。SPF下にて飼育した、雄性、Balb/cマウス5週令より脾臓を採取し、steer meshを用いて単核球を採取した。磁気細胞分離装置を用いて、CD4+CD25+T細胞およびCD4+cD25-T細胞を分離し、Ly-6G陽性好中球とインフルエンザ菌を共培養した。培養後6時間、12時間目にインフルエンザ菌生菌数について計測し、また、培養細胞よりmRNAを抽出し、IL-10、TGF-β、FoxP3 mRNAの表出についても計測した。次に、獲得免疫の動態についても検討するため、耳管閉塞によるインフルエンザ菌による慢性中耳感染マウスモデルを作成し、感染後3日、2週、1、2、6ヶ月に断頭後に、顕微鏡下にて経鼓膜的に中耳洗浄液(250μl)を採取し、同時に組織学的評価を行うため、PLP固定液を経心臓的に灌流固定後、マウス頭部を脱灰しコンパウンド包埋、中耳粘膜凍結切片(6mm)を作成後、Thy1,2及びPanB免疫染色を行い、中耳局所におけるB細胞の経時的変化およびインフルエンザ菌由来外膜蛋白に対する中耳貯留液および血清中の特異的IgAおよびIgG抗体価についても計測した。CD4+CD25+T細胞共培養においては、明らかにIL-10、FoxP3 mRNAの表出が亢進し、インフルエンザ生菌数も明らかに増加しており、内因性制御性T細胞によるインフルエンザ菌に対する好中球の殺菌作用の減弱が認められた。また慢性炎症期において中耳局所におけるB細胞減少、および中耳貯留液および血清中の外膜蛋白特異的IgAおよびIgG抗体価の減少が認められた。以上より、内因性制御性T細胞は獲得免疫系に対しても抑制的に作用し、慢性持続感染を助長している可能性が示唆された。
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