研究課題/領域番号 |
22591888
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
山中 敏彰 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (90271204)
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キーワード | 平衡 / 感覚代行 / ヒューマン・マシーンインターフェイス / 前庭覚 / クロスモダリティ / 転倒防止 / リハビリテーション |
研究概要 |
前庭障害が一側の場合、前庭代償によりめまい・平衡障害は徐々に改善していく。しかし、両側の機能が廃絶されると、もはや代償機転は作働せず平衡障害は存続して改善の期待はできなくなり治療に難渋する。そこで今回、前庭覚に代わる感覚(舌触覚)を通じてバランス情報を伝達することを目的に開発された前庭代替装置を用いて治療を試みた。本装置は頭位の傾きを感知する加速度計を包埋した微小電極(100個)アレイとプロセッサーから構成され、加速度計からの情報をプロセッサーで電気信号に変換して電極に送るしくみになっている。本年度は、舌の電気刺激により前庭神経核のニューロン活動を記録した。舌電気刺激が1および5mAでは反応はみられなかったが、1mAで潜時の長い誘発スパイクが認められた。現在、記録数を増やして検討中であるが、舌刺激により前庭神経核のニューロンが影響を受けることが示唆される。このことから、舌を用いた感覚代行技術は、機能が廃絶された前庭を代替する働きを有する可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
記録電極の不正確さにより、前庭神経核のニューロン細胞の記録が進まないから。新規購入するなど、記録電極を変更して改善を図りたい
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今後の研究の推進方策 |
舌刺激を実際に臨床に応用して、バランストレーニングを行って、平衡障害に対する効果を調べる。
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