研究課題/領域番号 |
22591898
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
小林 正佳 三重大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (80343218)
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研究分担者 |
倉橋 隆 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (90225251)
竹内 裕子 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (10324823)
山本 哲朗 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00127002)
竹内 万彦 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50206942)
玉利 健悟 三重大学, 大学院・医学系研究科, 技術補佐員 (90585176)
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キーワード | 嗅覚 / ヒト / 嗅細胞 / パッチクランプ / 免疫染織 |
研究概要 |
三重大学医学部附属病院耳鼻咽喉・頭頸部外科の入院または外来患者で、予定鼻内手術を施行する患者から、全身麻酔下あるいは局所麻酔下で手術摘出された鼻粘膜組織から嗅細胞を取り出し、この組織を薬品処理して嗅細胞を単離してからパッチクランプ法を用いて嗅細胞の細胞膜電流を測定した。 本年度はコントロールの実験系の確立を目標とし、実験を遂行した。なお、嗅細胞であることの確認は、実験終了時に実験で使用した細胞内に螢光色素であるルシファーイエローを注入して標識し、これに嗅細胞の特異的マーカーであるOlfactory Marker Protein (OMP)抗体で免疫染色して確認した。 予想通り、コントロールの実験系の確立には時間と労力を要した。従来両生類を用いての実験が主であったため、それ用の細胞外液を哺乳類用に変更し、また数種類の組成を試用し、適するものを探求した。また、単離する際の酵素をパパイン、コラゲナーゼ、パパインとコラゲナーゼの混合などに変更し、さらに単離時間を10分、30分、1時間、1時間半、3時間など変更し、それぞれヒト嗅細胞に最も適した条件を探求した。 両生類の嗅細胞と比較して、嗅細胞にガラス電極を刺入する際の固さが強く、電極の先端形状を先鋭化、鈍化などの工夫を凝らし、またヒートポリッシュの有無での実験精度の違いを検証し、安定した嗅細胞の細胞膜電流が記録できるコントロール実験系の確立に努めた。 さらに、単離細胞だけではなく、細胞単離前の組織の状態で、スライスパッチクランプも行い、ヒト嗅細胞での細胞膜電流測定も試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ヒト嗅細胞からの安定した細胞膜電流の記録が非常に難しいため。
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今後の研究の推進方策 |
予定通りに実験回数を増やしてパッチクランプ記録の回数を積み重ねていく。また、スライスパッチクランプや、嗅細胞の記録がより安定するイモリ、またマウスなど他の哺乳類でもパッチクランプ記録実験を行い、トレーニングを積み重ねるとともに、ヒト嗅細胞実験との違いを探索して、ヒト嗅細胞での記録が安定して成功するように図る。
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