研究課題/領域番号 |
22591901
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 日本医科大学 (2011-2012) 鹿児島大学 (2010) |
研究代表者 |
松根 彰志 日本医科大学, 医学部, 教授 (00253899)
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研究分担者 |
黒野 祐一 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80153427)
砂塚 敏明 北里大学, その他の研究科, 教授 (30226592)
大久保 公裕 日本医科大学, 医学(系)研究科 (研究院), 教授 (10213654)
吾妻 安良太 日本医科大学, 医学部, 教授 (10184194)
藤倉 輝道 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00238552)
後藤 穣 日本医科大学, 医学部, 准教授 (80281426)
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研究期間 (年度) |
2010 – 2012
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キーワード | 難治性副鼻腔炎 / マクロライド / ステロイド / プライミング効果 |
研究概要 |
マクロライドは本来抗菌薬としての作用があるが、慢性副鼻腔炎治療の分野では抗炎症作用としての働きが期待され、近年「マクロライド少量長期投与療法」が確立された。しかし、鼻茸や副鼻腔粘膜に好酸球浸潤が著明に認められ、アスピリン喘息を含む気管支喘息の合併が高頻度に認められる成人での難治性、易再発性の慢性副鼻腔炎には効果がない。経口ステロイドの漸減療法や長期使用に頼らざるをえないのが現状である。一方マクロライドには、過剰な免疫反応の抑制、調整作用やあることも分かってきていることから、直接の治療効果がなくてもステロイドのいわゆる増強する作用(primingeffect、プライミング効果)が期待でき、本疾患治療におけるステロイド使用の減量が期待できると考えられた。手術で得られた鼻茸粘膜の培養系や、術後症例に対するマクロライド少量長期投与とステロイド点鼻の併用効果から、期待されたプライミング効果はすべての症例に対して認められたわけではなかったが、程度の差はあるものの症例によっては認められた。どのような症例で認められるかについては今後の検討課題である。ただし副作用の点などから、術後の内服ステロイドの30~40mg/dayからの漸減療法2週間終了後、マクロライドの少量長期投与にステロイド点鼻(鼻噴霧用ステロイドよりはベタメタゾン点鼻)の併用でとりあえず様子を見ることは意義のあることであり、今回の重要な研究の成果と考えられる。更なる症例の蓄積による検討が必要である。
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