研究概要 |
現在・50歳台くらいまでで働き盛りの睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome ; SAS)における疫学的なDataは良く知られている。有名なYoungらのWisconsin Sleep Cohortでの報告では、無呼吸低呼吸指数(Apnea Hyperpnoea Index ; AHI)≧5回/時のSASは男性では4%、女性では2%とでている(Young T et al.N.Engl J Med328, 1993)。しかるに60歳以上のSASにおける病態はあまり知られておらず、最近欧米では注目を集めてきているが、日本では実態調査が全く行われていない。今回我々は、人口約2万人で北海道の道南に位置し、人の移動が少ない八雲町において、60歳以上の高齢者におけるSASの実態を明らかにするために本研究を行った。昨年から1年に1回北海道八雲町において携帯用喉頭ファイバーや携帯用額帯ファイバーを用いて鼻腔~咽喉頭所見や睡眠障害、胃食道逆流症の症状スコアや嚥下についての問診所見をとった。また睡眠呼吸検査については、八雲町の保健福祉課に簡易睡眠呼吸検査装置を3台貸付け、その課の保健師により、60歳以上の睡眠呼吸検査希望の住民にその装置の使い方を指導し、記録をとってもらっている。記録はメモリーカードに保存されるので、そのカードを当院に送っていただくことにより解析を行い、その結果は保存され、また検診を受けた人へは個人情報保護に注意しながら、各、個人宛に結果とその指導を行っている。
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