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2012 年度 実績報告書

上皮細胞増殖因子受容体の内在化を標的とした新しい頭頸部がんの治療戦略に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22591910
研究機関九州大学

研究代表者

藤 賢史  九州大学, 大学病院, 講師 (20380397)

研究分担者 中島 寅彦  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00284505)
研究期間 (年度) 2010-10-20 – 2013-03-31
キーワード頭頚部がん / EGFR / src
研究概要

頭頚部がんの進展に関わる重要な因子として上皮細胞増殖因子(EGF)受容体(EGFR)を取り上げ、研究を行った。EGFRは細胞膜に存在する膜蛋白であり、EGFなどの細胞外のリガンドと結合することで活性化し、細胞内にシグナルを伝達し、細胞増殖、遊走能の更新などがんの進展に関わるイベントが惹起される。この系をブロックすることはがんの進展を阻止することにつながるため、既に臨床使用されている分子標的薬の他にも様々な戦略が検討されている。本研究では、受容体を膜表面から細胞内に内在化させることで細胞外のリガンドとの結合を遮断するという戦略に基づき、そのメカニズムに関する研究を行った。
前年度までの研究で、緑茶由来カテキンの一つであるEGCGは、頭頚部扁平上皮癌細胞である、YCU-H891細胞株においてEGFR内在化を誘導することを明らかにした。本年度は、EGCGがEGFRのリガンドであるEGFが誘導する形態変化に及ぼす影響について検討した。YCU-H891細胞株では、EGF処理を行うと接着性が低下し、球形に近い形態に変化する。EGCGの前処理によりこの変化は阻害され、形態変化が観察されなくなる。また、一旦誘導された形態変化は、EGCGにより速やかにリバースされ、扁平な形態に戻ることが観察された。
EGFが誘導する形態変化は、生体内では上皮間葉転換といわれる変化に相当する。この細胞の変化は、上皮由来の性質が失われ、がん治療の臨床において問題となるに遊走能や浸潤能(転移能)が更新することを意味している。EGCGはEGFRの内在化を誘導するだけではなく、EGFによる上皮間葉転換を阻害し、このような形質が少なくとも一部はリバースできることを意味していると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Somatic evolution of head and neck cancer - biological robustness and latent vulnerability.2013

    • 著者名/発表者名
      Masuda, M
    • 雑誌名

      Molecular Oncology

      巻: 7 ページ: 14-28

    • DOI

      10.1016/j.molonc.2012.10.009

    • 査読あり
  • [学会発表] EGCG Induce Internalization of EGF Receptor2012

    • 著者名/発表者名
      Toh, S
    • 学会等名
      8th International Conference on Head and Neck Cancer
    • 発表場所
      Toronto, ON, Canada
    • 年月日
      20120721-20120725
  • [学会発表] アシル化阻害によるEGF誘導性の細胞形態変化の調節2012

    • 著者名/発表者名
      藤 賢史
    • 学会等名
      日本頭頚部癌学会
    • 発表場所
      島根県松江市
    • 年月日
      20120607-20120608

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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