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2011 年度 実績報告書

EBウィルス関連リンパ腫発症・進展に与える宿主自然免疫の影響

研究課題

研究課題/領域番号 22591915
研究機関和歌山県立医科大学

研究代表者

山内 一真  和歌山県立医科大学, 医学部, その他 (80336891)

研究分担者 山中 昇  和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (10136963)
保富 宗城  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (90336892)
戸川 彰久  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70305762)
キーワードMHV-68 / TLR7 / TLR9 / NF-kB / 融解感染 / ガンマヘルペスウイルス / S11細胞 / リアルタイムPCR
研究概要

MHV68に持続感染したマウスB細胞性リンパ腫細胞であるS11細胞、A20HE1細胞、A20HE2細胞に対してマウスTLR1~9に特異的なプライマーセットを用いた逆転写PC法により各TLR mRNAの発現を確認した結果、上記3細胞系いずれにおいてもTLR1~9のすべてが発現していることがわかった。
ついで、これらの細胞をMHV-68融解感染誘導物質として知られている12-O-tetradecanoyl 13-phorbolacetate(TPA)で刺激し、融解感染の際に発現する融解遺伝子であるORF50,0RF21,M7をリアルタイムPCR法で定量した結果、融解遺伝子の増幅が認められた。さらに融解感染にて放出されたウイルス粒子数をプラークアッセイにて定量した結果、ウイルス粒子数の増加が認められた。これらの結果、TPA刺激によりS11細胞、A20HE1細胞、A20HE2細胞では実際に融解感染が遺伝子レベル、ウイルス粒子レベルで誘導されることがわかった。
さらにS11細胞、A20HE1細胞、A20HE2細胞を種々のTLRリガンドで刺激し、上記と同様のリアルタイムPCRおよびプラークアッセイを行った結果、S11細胞をTLR7もしくはTLR9のリガンドで刺激した場合に融解感染遺伝子の発現が抑制され、ウイルス粒子数の減少を認めた。TLRリガンドのかわりにNF-κB活性化抑制物質で刺激した場合には逆に融解感染遺伝子の発現が促進され、ウイルス粒子数の増加を認めた。以上よりTLR7あるいはTLR9刺激によりMHV-68の融解感染は抑制され、NF-κBの活性化によりMHV-68の融解感染は抑制されることが示唆された。TLR7あるいはTLR9の刺激によりNF-κBが活性化することが知られており、MHV-68の融解感染抑制効果にはこのシグナル伝達系が深く関与しているものと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ガンマヘルペスウイルスの融解感染は種々の免疫刺激により影響を受けることが報告されているが、まだ明らかにされていないことが多い。今回の一連の実験により、TLR7もしくはTLR9により融解感染が抑制されることをつきとめたため。

今後の研究の推進方策

細胞系を用いたin vitroの実験にてTLR7あるいはTLR9刺激によりMHV-68の融解感染が抑制されることが今回わかったが、同じことがex vivoあるいはin vivoでも観察されるかどうかを検討する。つまりマウス細胞を分離しMHV-68に感染させ、TLR7、TLR9リガンドで刺激しMHV-68の融解感染を観察する実験、さらにマウスに経鼻でMHV-68を感染させ、TLR7、TLR9リガンドで刺激した後、MHV-68の融解感染を観察する実験を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ガンマヘルペスウイルスの感染相転移に対するToll様受容体刺激効果2012

    • 著者名/発表者名
      山内一真
    • 学会等名
      日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会
    • 発表場所
      滋賀県大津市
    • 年月日
      2012-02-16

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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