研究概要 |
研究の目的:これまでに主にシグレック-2(CD22)とシグレック‐6はB細胞に発現し、B細胞活性の負の制御に関与する事等が報告されている。最近、ヒト培養マスト細胞を使用し、シグレック-2(CD22)とシグレック‐6はB細胞のみならずマスト細胞にも発現することを世界で初めて報告された。(Yokoi H. Allergy.2006 Jun;61(6):769-76.) また、扁桃におけるマスト細胞の分布と役割が解析し報告されている(Yokoi, H. et al. Allergy and Asthma Proceedings.2006;(5):415-421.)(Kashiwakura,J.,Yokoi,H.et al. J Immunology,2004,173(8):5247-57.)。このユニークな発現パターンは扁桃慢性炎症疾患の中でシグレック-2, 6のB細胞活性化の制御やマスト細胞の扁桃組織における潜在的にユニークな役割が存在する事を示唆しておりこれら分子の発現と扁桃各疾患の発症機序などに作用することを分子レベルで証明することは、今後の斬新な治療を考えるうえで意義があると考える。対象、方法と結果:慢性扁桃炎、扁桃肥大、病巣扁桃炎の各組織よりB細胞を分離し、またマスト細胞は培養したものを用いて、mRNA を定量的リアルタイムPCR法によって測定比較する目的はB細胞の分離、マスト細胞の培養はコンタミネーションすることが多く、上手くいかなかった。FACSにて細胞表面蛋白の発現量、またはWestern blot法を用いて定量的に蛋白発現量を計測することは抗体が実験系に上手く働かず結果をえていない。免疫組織学によってSiglec-2, 6の局在を検討し、発現量の有意差を各疾患で検討する目的に関しては、有意差がなかった。
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