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2012 年度 実績報告書

味覚障害患者の舌にみられる味覚受容体遺伝子発現の変化とその臨床的意義の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22591922
研究機関日本大学

研究代表者

池田 稔  日本大学, 医学部, 教授 (30130420)

研究分担者 小野田 恵子  日本大学, 医学部, 兼任講師 (00349995)
田中 真琴  日本大学, 医学部, 助手 (00526121)
関根 大喜  日本大学, 医学部, 助教 (10398860)
平井 良治  日本大学, 医学部, 助教 (70409027)
高尾 恭一  日本大学, 医学部, 助手 (90187922)
研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード味覚障害 / 亜鉛欠乏 / 味蕾細胞 / 有郭乳頭 / TAS2R
研究概要

①すでにわれわれは、味覚低下の症例から採取した舌上皮の検体においては、味覚受容体遺伝子の発現の有意の低下が見られることを見出だした。このことはヒトの味覚低下の発症機序に重要な関連性を持つものと結論し英文誌に報告した。さらに、自発性異常味覚の症例では、味覚低下例とは逆に、有意に味覚受容体遺伝子の発現が亢進していることを見出した。この異常所見は自発性異常味覚の発症機序に重要な関連性をも持つものと結論し英文誌に報告した。以上より、ヒトの味覚障害の発現機序に味覚受容体遺伝子の発現変化が関与しているものと考えられる。
②亜鉛欠乏はヒトの味覚障害の主要な原因としてよく知られている。また亜鉛欠乏ラットで味覚障害が出現することは多くの報告がある。われわれは、亜鉛欠乏ラットを作成し、舌の有郭乳頭部上皮における味覚受容体遺伝子の発現変化を検討した。その結果、亜鉛欠乏ラットでは有意に発現が低下する遺伝子がみられ、またその一部は亜鉛の投与で発現が有意に回復することが示された。亜鉛欠乏性味覚障害の機序に、味覚受容体遺伝子の発現変化が関与すると結論し、英文誌に報告した。
③上記の実験結果に基づき、亜鉛欠乏ラットにおける舌有郭乳頭の味雷における遺伝子発現の変化をin situhybridizationにより検討した。健常ラットでは苦味受容に関与するTAS2R受容体遺伝子は味蕾細胞に発現するが、塩味受容に関与するENaCは有郭乳頭内以上に、粘膜上皮細胞に強い発現がみられた。これらの遺伝子発現は亜鉛欠乏ラットにおいては有意に減少することが示され、亜鉛欠乏性味覚障害の機序に、味覚受容体遺伝子の発現低下が関与すると結論し、英文誌に報告(in press)した。
④薬剤性味覚障害と味覚受容体遺伝子発現の変化の関係をみるために、ラットに抗腫瘍薬を投与して検討を行っている。その結果の一部についてすでに学会報告を行っている。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2012 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Effects of zinc deficiency and supplementation on gene expres sion of bitter taste receptors (TAS2Rs) on the tongue in rats.2012

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Sekine
    • 雑誌名

      The Laryngoscope

      巻: 122 ページ: 2411-2417

    • DOI

      10.1002/lary.23378

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 臭覚・味覚はどのように発達するのか?2012

    • 著者名/発表者名
      平井良治
    • 雑誌名

      JOHNS

      巻: 28 ページ: 270-271

  • [雑誌論文] 味覚障害。特集:耳鼻咽喉科疾患の病態と診断・治療(III)2012

    • 著者名/発表者名
      池田稔
    • 雑誌名

      医学と薬学

      巻: 67 ページ: 673-679

  • [雑誌論文] 加齢と味覚障害2012

    • 著者名/発表者名
      池田稔
    • 雑誌名

      日本口腔・咽頭科学会

      巻: 25 ページ: 133-138

  • [雑誌論文] 味覚.器官別機能と老化による病態 特集:高齢化社会と耳鼻咽喉科2012

    • 著者名/発表者名
      池田 稔
    • 雑誌名

      JOHNS

      巻: 28 ページ: 1311-1314

  • [雑誌論文] 薬剤性味覚障害 疾患と病態生理2012

    • 著者名/発表者名
      池田 稔
    • 雑誌名

      JOHNS

      巻: 28 ページ: 1797-1806

  • [学会発表] シンポジウム「味覚のメカニズムと味覚障害―基礎から臨床への方向性を探る」味覚障害の原因と治療-臨床からのアプローチ-2012

    • 著者名/発表者名
      池田 稔
    • 学会等名
      第22回日本歯科医学会総会 分科会シンポジウム(歯科基礎医学会)
    • 発表場所
      大阪国際会議場
    • 年月日
      20121109-20121109
  • [学会発表] 特別講演 味覚障害への対応2012

    • 著者名/発表者名
      池田 稔
    • 学会等名
      足立区耳鼻咽喉科医会学術講演会
    • 発表場所
      東京都
    • 年月日
      20121027-20121027
  • [学会発表] ラットの味覚受容体遺伝子発現に対するパクリタキセルによる影響の検討2012

    • 著者名/発表者名
      田中真琴
    • 学会等名
      第25回日本口腔・咽頭科学会総会 学術講演会
    • 発表場所
      熊本県 熊本県立劇場
    • 年月日
      20120914-20120914
  • [学会発表] 味覚受容体遺伝子の発現部位の検討2012

    • 著者名/発表者名
      関根大喜
    • 学会等名
      第25回日本口腔・咽頭科学会総会 学術講演会
    • 発表場所
      熊本県 熊本県立劇場
    • 年月日
      20120914-20120914
  • [学会発表] 特別講演 味覚障害の臨床2012

    • 著者名/発表者名
      池田 稔
    • 学会等名
      第192回長久手会(愛知医科大学耳鼻咽喉科)
    • 発表場所
      名古屋市
    • 年月日
      20120728-20120728
  • [学会発表] 亜鉛と味覚障害:味覚受容体遺伝子(TAS2R)の発現に対する亜鉛欠乏の影響2012

    • 著者名/発表者名
      関根大喜
    • 学会等名
      第23回日本微量元素学会学術集会
    • 発表場所
      東京都 砂防会館
    • 年月日
      20120706-20120706
  • [学会発表] 特別講演 味覚障害の臨床2012

    • 著者名/発表者名
      池田 稔
    • 学会等名
      平成24年度定例総会 岐阜県耳鼻咽喉科医会 第58回研修会
    • 発表場所
      岐阜市
    • 年月日
      20120617-20120617
  • [学会発表] 抗悪性腫瘍薬(パクリタキセル)によるラットの味覚受容体遺伝子発現の変化の検討2012

    • 著者名/発表者名
      田中真琴
    • 学会等名
      第113回日本耳鼻咽喉科学会総会・学術講演会
    • 発表場所
      新潟市 朱鷺メッセ(新潟コンベンションセンター)
    • 年月日
      20120511-20120511
  • [備考] 日本大学医学部耳鼻咽喉・頭頸部外科学分野

    • URL

      http://www.med.nihon-u.ac.jp/department/jibika/index.html

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公開日: 2014-07-24  

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