研究課題
ぶどう膜炎患者の血清について糖鎖解析をおこなった。ぶどう膜炎の原因疾患は、ベーチェット病、サルコイドーシス、フォークト・小柳・原田病であり、その患者背景として年齢、性別、罹病期間、投薬内容、およびぶどう膜炎の活動性について調査し、糖鎖解析の結果との関連性について検討を行った。サルコイドーシス、フォークト・小柳・原田病では有意な変化をしめす糖鎖はみられなかったが、ベーチェット病では、検出された糖鎖27種類中3種類の糖鎖において活動期と非活動期とで糖鎖発現量に差がみられた。検体量を増やしてさらに検討が必要であるが、ベーチェット病における眼炎症発作の予測因子になる可能性が考えられる。現在、各疾患の血清収集をおこなっているところである。ぶどう膜炎の糖鎖変動についてさらなる解析を行うため、マウスの実験系での実験準備をおこなっている。B10.BRマウスをIRBPペプチドで免疫し誘導されるEAUについて、実験系の確認をおこなった。マウスを免疫し経時的に眼底の観察をおこない、EAU臨床スコアにて評価をおこなった。免疫から14日目以降にマウス眼底に網膜滲出斑、網膜静脈の拡張、静脈周囲炎がみられ、この炎症は21日目にピークを迎え、その後自然に消炎していった。21日目に眼球摘出をおこない、組織病理検索をおこなうと網膜、脈絡膜への白血球浸潤がみられた。この結果を基に、今後糖鎖解析をおこなうための血液採取時期について検討を行う予定である。
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