研究概要 |
本年度は、レーザー共焦点顕微鏡を用いたDSAEK/nDSAEK後角膜の2次元構造の解析を行った。対象はそれぞれ20人のnDSAEK後患者とDSAEK後患者である。HRT II RCMを用いて、角膜中央の生体観察を角膜上皮、実質、ホストードナー層間、ドナー角膜実質、ドナー内皮の各レベルにおいて広範囲に行った。得られた多数のイメージをコンピュータプログラム(Adobe Photoshop;Adobe Systems,San Jose,CA,USA)を用いて結合し、広範囲モンタージュを作成中である。更にコンピュータプログラム(Adobe Photoshop)を用いて画像データの電子トレース像を作成し、2次元構造の解析に取りかかっている。また、コンピュータプログラム(Image-Pro Express)を用いてホスト、ドナーそれぞれの実質、内皮、点状層間高輝度沈着物、巨大層間高輝度沈着物の密度を計算した。来年度は、これらの結果を解析して、結論を出す予定である。 さらに、DSAEKとnDSAEK後角膜における術後眼圧値の違いについて検討した。 対象はそれぞれ50人のnDSAEK後患者とDSAEK後患者である。これらの患者において、ゴールドマン圧平式眼圧計、手持ちデジタル眼圧計(トノペン)、空気圧平式眼圧計、Pascal Dynamic Contour Tonometer(DCT)の4種の眼圧計を用いて眼圧を測定した。得られたデータを用いて各々の術後眼圧値の相関(pearsonの相関係数)と相違(対応のあるt-検定)について検討した。更に、各々の術後眼圧値と角膜厚の相関(pearsonnの相関係数)について検討した。本研究結果は、Japanese Journal of Ophthalmology(査読あり)に発表された。
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