研究課題
最終年度は、脈絡膜新生血管発症とapelin/APJシステムとの関連について、確認実験を行った。マウスレーザー誘導脈絡膜新生血管の発生過程で、リアルタイムPCRを用いて発現上昇の確認されたapelin/APJについて、APJの局在を免疫染色で確認したところ、新生血管の血管内皮に存在していることが明らかとなった。脈絡膜新生血管形成過程におけるapelin/APJシステムの誘導が、マクロファージを主体とする炎症性因子と関連して起こっているのかどうかをみるために、MCP-1、TNFαの発現上昇の程度と、マクロファージの集積の程度を、野生型とapelinノックアウトマウスで比較したが、両者で差がないことがわかった。VEGF経路との関連も明らかなものはみられなかった。in vivoでは関連が不明であったため、in vitroでの実験を行った。HUVECを用いて、VEGF負荷時のapelin/APJ、apelin負荷時のVEGF、MCP-1、TNF-α、LPS負荷時のapelin/APJの変化をみたところ、VEGF負荷時にapelin/APJは有意に発現上昇するも、apelin負荷時のVEGF、MCP-1の変化はみられなかった。またTNF-αの発現は検出されなかった。LPS負荷時にもapelin/APJは変化なく、apelin/APJはVEGFシグナルの下流にある可能性が示された。しかしながら、HUVECの増殖は、VEGF抑制、apelinの抑制それぞれで有意に抑制されており、apelin/APJ経路単独でHUVEC増殖を引き起こす可能性のあることがわかった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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