研究課題/領域番号 |
22591948
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
雑賀 司珠也 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (40254544)
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研究分担者 |
岡田 由香 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (50264891)
白井 白井 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70326370)
宮本 武 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (20336879)
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キーワード | アルカリ角膜外傷 / 水晶体外傷 / マウス / Smad / ミドルリンカー / 線維化 / テネイシン / オステオポンチン |
研究概要 |
アルカリ角膜外傷モデル、水晶体外傷モデルを下記ノックアウトマウスと野生型マウスに作成し、Smad2/3分子のC末端およびミドルリンカー領域のリン酸化の状態と組織線維化の程度を免疫組織化学で検討した。1、マウス角膜アルカリ外傷。テネイシンノックアウトマウスと野生型マウスに以前から用いているマウス角膜アルカリ外傷を作成した。全身/局所麻酔下に1水酸化ナトリウム(3μL)の点眼を行った。創傷後、1、3、5、10日後に組織学的/免疫組織学的観察および標本から抽出したRNAでreal-time RT-PCRを行った。標的は、Smad2およびSmad3のC末端とミドルリンカー領域のリン酸化(免疫組織化学)、線維化に関与する遺伝子、蛋白質発現(CTGF,フィブロネクチン、オステオポンチン、a平滑筋アクチン)であった。代表研究者らによって作成されたSmad2またはSmad3のミドルリンカー領域リン酸化に対する特異抗体を使用した。アルカリ外傷後1日,3日で、遊走上皮と周辺部角膜上皮に一過性にSmad2/3分子のミドルリンカー領域のリン酸化が検出された。C末端リン酸化は、検出されなかった。ノックアウトで野生型と免疫組織での差は見られなかった。角膜RNAから繊維化関連遺伝子の発現が検出された。ノックアウトで源弱していた。2、水晶体穿刺外傷モデル。オステオポンチンまたはテネイシンのそれぞれのノックアウトマウスと野生型マウスを用いた。26ゲージ針による穿孔外傷後の創傷治癒過程でのSmad2およびSmad3のC末端とミドルリンカー領域のリン酸化の時間経過を免疫組織化学的に検討した。このモデルでは、穿孔部の水晶体上皮細胞でSmad2/3のC末端リン酸化と核内以降は受傷後12時間から観察される事を報告している。アルカリ外傷後1日,3日で、穿孔周辺の上皮に一過性にSmad2/3分子のミドルリンカー領域のリン酸化が検出され、両ノックアウトマウスで上皮-間葉系移行の遅延と共に、ミドルリンカー領域リン酸化発現が遅延,源弱している傾向が観察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マウスのin vivo研究で,ほぼ予定通りの進行を得ているが,結果の統計処理の欠落,蛋白質のリン酸化の検索が免疫組織化学に依存し,ウエスタンブロットが出来ていない点から,「(1)当初の計画以上に進展している。」では無く,「(2)おおむね順調に進展している。」を選択した。
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今後の研究の推進方策 |
1、上記で欠落している組織でのSmadリン酸化のウエスタンブロットによる評価を、アルカリ外傷モデルと水晶体外傷モデルで行う。 2、結膜瘢痕モデル,網膜剥離による増殖網膜硝子体症での各種マトリクスのノックアウトとSmad各部位のリン酸化や組織線維化の検索を行う。具体的検索は,これまでに準じる。
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