研究課題/領域番号 |
22591949
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
国松 志保 東北大学, 大学病院, 助教 (80301563)
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研究分担者 |
原 岳 自治医科大学, 医学部, 非常勤講師 (40240717)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 緑内障 / 自動車運転 / ドライビングシミュレータ |
研究概要 |
70歳未満の後期緑内障患者(両眼ともハンフリー視野検査中心24-2プログラム(HFA24-2)MD-12dB以下)36名と年齢をマッチングした正常者36名に、視力検査、HFA24-2と緑内障患者用driving simulator(緑内障DS)を施行した。視野については、左右HFA24-2結果より両眼視野(integrated visual field、IVF)を作成した。 シミュレータでは、プログラムされている対象物targetの各時刻tにおける座標(xT(t), yT(t))を用いて、対象物がスクリーン上に出現してから、ブレーキを踏まずに衝突するまでの対象物のスクリーン上の軌跡を忠実に再構成できる。車、子供などの対象物がスクリーン上に出現した時刻(時刻 t=0 とする)から被験者が対象物に気づいてブレーキを踏んだ時刻までのブレーキ反応時間から、ブレーキを踏んだ時刻における、対象物の、視点からの視野角度angular distanceを求めた。 特に視野障害が関連すると思われる6場面について、事故を回避できた正常中高年・後期緑内障患者のブレーキに反応した視野角度を求めたところ、対向車の右折に対しては11度、右からの飛び出し事故では16度、左から飛出し事故では4度の視野範囲が必要であることが分かった。この範囲が見えている場合、正常中高年と後期緑内障患者では、ブレーキに反応した視野角度angular distanceに有意差はなく(p=0.99)衝突回避は十分可能であることが分かった。 また、この6場面において、シミュレータ画面にIVFの52領域を重ね、事故の有無と、対象物の軌跡を比較検討したところ、視野感度が低下しているところが軌跡に重なり、視野障害と自動車事故が関係していることが証明できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成24年度の時点で、自動車事故回避に必要な視野範囲を同定することができたため、おおむね順調に進展していると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
特に視野障害が関連すると思われる6場面について、新潟大・金沢大・たじみ岩瀬眼科(岐阜県多治見市)の多施設での症例(104例)で、同様の検討を行っていく予定である。
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