研究概要 |
70歳未満の後期緑内障患者(両眼ともハンフリー視野検査中心24-2プログラム(HFA24-2)MD-12dB未満)36名と年齢をマッチングした正常者36名に、視力検査、HFA24-2と緑内障患者用driving simulator(緑内障DS)を施行した。視野については、左右HFA24-2結果より両眼視野(integrated visual field、IVF)を作成した。 14場面のうち4場面について、各場面別の事故率(事故件数/人数%)は、後期緑内障群において、正常中高年に比べて有意に多かった; 場面 3(25.0% v.s. 63.9%), 場面 12(25.0% v.s. 63.9%), 場面 14(8.3% v.s. 55.6%), 場面 16(0% v.s.22.2%)(P=0.0018, 0.0018, P<0.0001 and P=0.0051)。 この4場面において、シミュレータ画面にIVFの52領域を重ねたところ、対象物の先端およびその近傍の軌跡のある領域の一部では、事故を起こした群と起こさなかった群の間で、視野感度に有意差があった。すなわぎ、場面 3(青色の対向車の右折)および場面 14(白色の対向車の右折)では、中心下方6-12度の視野感度が16 dB以下、場面 12(左側からパトカー)では、中心左下方18-24度の視野感度が19 dB以下、場面 16(右側からシニアカー)では、中心右下方12-18度の視野感度が2 dB以下だと事故が起きる可能性が示唆され、視野障害と自動車事故が関係していることが証明できた。
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