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2011 年度 実績報告書

近視の原因解明と治療に関する分子細胞生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22591958
研究機関国立障害者リハビリテーションセンター(研究所)

研究代表者

世古 裕子  国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所・感覚機能系障害研究部・視覚機能障害研究部, 室長 (60301157)

研究分担者 梅澤 明弘  (独)国立成育医療研究センター, 再生医療センター, 再生医療センター長 (70213486)
東 範行  (独)国立成育医療研究センター, 生殖・細胞医療研究部, 室長 (10159395)
キーワード眼生化学 / 近視 / 遺伝子 / 幹細胞 / 再生医学
研究概要

強度近視眼は眼軸長(眼球の長さ)が長く、眼軸延長に伴い様々な合併症を生じる。強度近視は失明原因の第4位であり、遺伝が原因である場合が多く見られるが、遺伝と環境が互いに作用しあっており、その本態はまだ十分に解明されていない。網膜の萎縮と強膜のひ薄化というヒト強度近視の病態はヒヨコなどの動物モデルでも類似所見が得られるため、生化学的・分子生物学的な研究は専ら動物モデルを用いて行われ、ヒト強度近視の臨床研究は主に大人の患者を対象に行われている。ヒト強度近視では、近視化への運命付けは先天的あるいは後天的に学童期以前に起こると考えられ、幼若な近視眼あるいは非近視眼の臨床研究および幼若なヒト眼球由来強膜および網膜の解析、特に早期発症の片眼強度近視眼の解析は非常に独創性が高く、意義深い。
国立成育医療センター倫理委員会(承認番号156)にて、承認を受けた子供の眼手術検体から得た強膜細胞の遺伝子発現プロファイリングをGene Chip(Affimetrix)を用いて行い、種々の間葉組織由来細胞と階層的クラスター分析によって比較すると、ヒト強膜細胞は軟骨細胞と最も近い遺伝子発現パターンを示し、種の違いを超えて軟骨の性格を保持していることが示唆された。また、軟骨に関連し、TGF-bataファミリーも高発現がみられた。
さらに、強膜の前・中・後数箇所から組織を採取し、各々の遺伝子発現パターンを分析し、ヒト強膜前後軸の遺伝子発現解析を行い、PRELPを初めとした軟骨関連遺伝子、TGF-bataファミリーを含めサイトカンネットワークとシグナル伝達機構が明らかになったので、検体数を増やし、再現性をもって前後軸で発現量の異なる遺伝子を明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

強度近視の成因に関する研究の他、強度近視性網脈絡膜萎縮に対する治療に関する研究として、再生の研究も平行して進めてきたが、23年度に論文が受理された(掲載は24年度)。

今後の研究の推進方策

網羅的遺伝子発現解析の結果をもとにして、眼球の前後でそれぞれ働くシグナル伝達のメカニズムを、細胞生物学的な手法で明らかにし、論文化する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Establishment of functioning human corneal endothelial cell line with high growth potential2012

    • 著者名/発表者名
      Yokoi T, Seko Y, Yokoi T, Makino H, Hatou S, Yamada M, Kiyono T, Umezawa A, Nishina H, Azuma N
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 7(1) ページ: e29677

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Derivation of human differential photoreceptor-like cells from the iris by defined combinations of CRX, RX and NEUROD2012

    • 著者名/発表者名
      Seko Y, Azuma N, Kaneda M, Nakatani K, Miyagawa Y, Noshiro Y, Kurokawa R, Okano H, Umezawa A
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: 7(4) ページ: e35611

    • 査読あり

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公開日: 2013-06-26  

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