研究概要 |
本研究より、以下の成果が得られた。 1)基礎研究 ブタ摘出血管を用いたin vivo研究では、高脂血症治療薬フェノフィブラート(Omae, 2012, IOVS)、PDE阻害剤シロスタゾール(Tanano, 2013, IOVS)が血管内皮依存性に網膜動脈を拡張させることを明らかにした。この成果から、これら薬剤による網膜循環改善作用が期待される。また、ホモシステインが網膜血管内皮機能を障害することが明らかとなった(Omae, 2013, IOVS)。ネコを用いたin vivo研究では、急激な全身血圧の上昇に対して網膜動脈は血流を一定にするように収縮するが、この際に血管内壁にかかる者シェアストレスの増加に伴い一酸化窒素NOも放出されていることが明らかとなった(Nakabayashi, 2012, Exp Eye Res). 2)臨床研究 2型糖尿病患者の網膜血流低下に、腎機能低下が関与していることが明らかとなった(Nagaoka, 2013, Diabetes Care)。さらに、網膜静脈分枝閉塞症患者(Tanano, 2013, Current Eye Research)では全身の血管内皮機能が低下していることを明らかにした。
|