研究課題/領域番号 |
22591965
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
木内 良明 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (40214738)
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研究分担者 |
竹中 丈二 広島大学, 病院, 医科診療医 (70526194)
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キーワード | 眼圧測定 / 非接触型眼圧計 / 高速カメラ / 角膜変位量 / 緑内障 |
研究概要 |
研究の目的:角膜が薄いことが緑内障発症あるいは視神経障害進行の危険因子であることを示す疫学研究の報告が続いている。角膜が薄く眼球の硬性が少ないと緑内障が発症しやすくなるのか?非侵襲的に測定された眼球の硬性を指標として緑内障発症のメカニズムの中で眼球の硬性が果たす役割を明らかにすることを本研究の主目的とする。副次的に眼球硬性と眼圧測定値の関係を知る。 研究の成果:今回の研究期間中に明らかにしようとしたことは以下の4項目である。 1)眼球硬性を示す各種パラメーターを得る最適条件を確立する。 2)眼球硬性を示すパラメーターと臨床計測値の関係を明らかにする。 3)緑内障発症における眼球硬性の影響を明らかにする。 4)眼球硬性と眼圧測定値の関係を知る。 そのうち1)においては最適な条件を確立した。その結果を基に2)の解析を行い、眼圧測定早期の角膜変位量に影響を及ぼす因子として、眼圧、年齢、性別が選択された。角膜変位時の折れ曲がり曲率も年齢の影響を受けることを発見し、それぞれの結果は論文として受理あるいは発表された。現在は眼圧測定後期における変位量に及ぼす因子と、角膜周辺部の変位量に及ぼす因子について解析中である。角膜が薄い状態である、レーシック後の角膜変位量についても論文を作成中である。 3)に関しては高度近視群において角膜変位量と緑内障発症の関連が認められた。近く学会発表および、論文作成を行う予定である。 4)に関してアイケア眼圧計の特性を明らかにし、論文として発表した。コンタクトレンズ装用時の角膜の挙動については論文作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ボランティアを対象とした研究ではデータ取得がゆっくりだが進行している。またそのデータの解析、論文化も行われている。初期のデータの論文化されたので、それを基に臨床症例のデータを同様に解析できる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は無侵襲の検査である。しかし、実際の緑内障患者を対象とした場合、文書による同意を得る作業に手間取っている。徐々にデータを集めつつあるが、症例数を急速に増やすことができないことが、研究を遂行する上での問題点と思われる。臨床症例データは辛抱強く集めていくしか対策はない。 本研究進行中に光干渉断層撮影装置(OCT)が進歩し、視神経乳頭や脈絡膜の変化を無侵襲にとらえることができるようになった。眼圧変化が眼球後極部の組織構造に変化を生じさせることを見つけた。今後はOCTの所見を組み合わせながら新たな展開を図りたい。
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