研究課題/領域番号 |
22591967
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
毛塚 剛司 東京医科大学, 医学部, 准教授 (00287137)
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研究分担者 |
臼井 嘉彦 東京医科大学, 医学部, 助教 (50408142)
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キーワード | 自己免疫性視神経炎 / Myelin/oligodendrocyte glycoprotein / マイクログリア / アクアポリン4抗体 / アストロサイト |
研究概要 |
今年度、我々は、視神経炎モデルの発症実験および免疫学的解析の基礎を作るべく、以下の研究を行った。Myelin/oligodendrocyte glycoprotein(MOG)ペプチド35-55を抗原として、C57BL/6マウスに結核死菌添加完全フロインドアジュバントとともに混和させ、皮下に免疫した。同時に百日咳死菌トキソイドを腹腔内に投与した。視神経炎の肉眼的観察は、細隙灯顕微鏡で行い、免疫後10-12日に10匹中1匹程度の割合で視神経炎の発症を確認した。また、脳脊髄炎の発症を示唆する神経麻痺症状が12-14日目に発生することが判明した。免疫後14日目に屠殺を行う予定であったが、より確実に発症が予想される免疫20日目の屠殺群も作成した。屠殺前日に耳介にMOGペプチド抗原を注入し、24時間後に耳介腫脹をマイクロメーターで測定し、遅延型過敏反応を確認した。眼球を摘出後、H-E染色およびルクソール髄鞘染色を行い、免疫14日および20日で10匹中9匹に軽度から中等度以上の視神経への細胞浸潤が観察された。また、アストロサイトの標識抗体であるGFAP染色、オリゴデンドロサイトの標識抗体であるolig2抗体およびMBP染色、マイクログリアの標識抗体であるIba1染色を行い、視神経内のマイクログリアの増殖が確認された。一方、視神経炎モデルの浸潤細胞解析を行うため、摘出眼球から視神経を分離し、すりつぶして単細胞化し、抗CD4、CD8抗体、抗CD11抗体、抗CD20抗体、抗F4/80抗体でFACS解析を行い、浸潤細胞の同定を行ったが、有意な結果は得られなかった。血清成分を分離し、抗原特異的なIgG分画をELISAで調査したところ、IgG1分画が多く見られた。屠殺時に採取した脾臓から細胞を単離し、MOG抗原で刺激して、培養上清中のサイトカインを測定したところ、IFN-γ、IL-17が高値であることが判明した。このほかに、マウスとヒトの視神経炎を比較するため、抗MOG抗体がヒト視神経炎に関与しているか解析を行い、ヒトにおいて抗アクアポリン4抗体と連動して重症化に関与していることを確認した。
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