研究課題/領域番号 |
22591967
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
毛塚 剛司 東京医科大学, 医学部, 准教授 (00287137)
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研究分担者 |
臼井 嘉彦 東京医科大学, 医学部, 講師 (50408142)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 視神経炎 / 免疫制御療法 / 細胞治療 / 抗アクアポリン4抗体 / 抗MOG抗体 / IL-10 / 多発性硬化症 / 視神経脊髄炎 |
研究概要 |
本報告では視神経炎の発症メカニズムと,それに伴う新規治療法の可能性について検討した.抗アクアポリン(AQP)4 抗体が関与する視神経炎は副腎皮質ステロイド治療に抵抗し,視神経から視交叉,さらに視索に障害を起こし,多岐にわたる視野異常を来すことが判明した.また,アストロサイトを標的とした抗AQP4 抗体が陽性で,かつミエリン-オリゴデンドロサイトを標的とした抗ミエリンーオリゴデンドロサイトグリコプロテイン(MOG)抗体の陽性例では視神経炎が重症化していた.多発性硬化症に関連する視神経炎モデルでは,まず視力低下が起こり,引き続き視神経内へ補体が沈着し,ミクログリアや炎症細胞が浸潤することが判明した.その後,神経軸索数が減少するとともに視覚誘発電位(VEP)の潜時も延長していた.治療のことを念頭に置いた場合,視力が低下してVEPの潜時が延長する前の段階,つまり視神経内に細胞が浸潤してくる時点で適切な治療を行う必要があると思われた. 多発性硬化症に併発する視神経炎のモデルと考えられるマウス実験的自己免疫性視神経炎(experimental autoimmune optic neuritis)に対する各種免疫療法を検討した結果,カルシトニン遺伝子関連蛋白質(CGRP)遺伝子を導入した樹状細胞やinterleukin(IL)-10遺伝子を導入した樹状細胞による細胞治療により,視神経炎が抑制可能であることが明らかとなった.さらに,より現実的な治療法として,マウス視神経炎に対する新しい多発性硬化症治療薬フィンゴリモドの投与は,視神経への細胞浸潤を抑制することが示された.これらの実験結果でも示されたように,発症後早期から視神経への細胞浸潤を抑制する治療法が視機能の維持に重要であると考えられた.
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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