研究課題
有用な腫瘍マーカーのない小児固形悪性腫瘍であるウィルムス腫瘍や悪性ラブドイド腫瘍、未分化肉腫においてGlypican3が新規腫瘍マーカーとしての有用性を確立するために本年度は以下の研究を行った。1. Glypican 3の発現量の定量 (ELISA法)非担癌患者と担癌患者の組織に対して免疫組織学的検討により、また血清からELISA法によりGlypican3の発現量の定量を行った。肝芽腫、悪性胚細胞腫のほぼ全例、約1/3のウィルムス腫瘍の患者、胞巣型横紋筋肉腫、未分化肉腫の患者の組織と血清にはGlypican3の発現が認められた。また非担癌患者においては出生直後の年齢層においては高値であり、1歳前後にかけて徐々に減衰傾向が認められ1歳以降においてはほぼ正常化することが確認され、生理的減衰傾向を示す胎児性腫瘍マーカーであることが示唆された。この基礎研究結果に基づき、1歳以上の年齢を対象にして、難治性小児固形悪性腫瘍に対するGPC3ペプチドワクチン療法のエントリーが始まっており、当施設においても、倫理委員会申請承認後、臨床試験施行の準備段階に入っている。2.分子標的治療のターゲットとなる遺伝子の候補の選定Glypican3による免疫がんワクチン療法でターゲットとなっている抗原の関連遺伝子に関しては、成人癌における研究の実績をもとに複数の候補が挙がっており、現在、共同研究者の施設において免疫組織学的、分子生物学的に検討を行っている。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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J Pediatr Surg
巻: 47 ページ: 2194-2198
DOI:10.1016/j.jpedsurg.2012.09.006
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