研究課題/領域番号 |
22591985
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
藤田 恵子 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (80173425)
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キーワード | 癌 / 肝芽腫 / 癌幹細胞 / 培養 |
研究概要 |
癌の転移・再発・治療抵抗性に大きく関与すると注目されているのが「癌幹細胞」である。癌を根治するためには癌幹細胞を特異的に殺傷しなければならない。 本研究では小児の肝臓悪性腫瘍で最も罹患率の高い「肝芽腫」の新たな治療法開発を目指し、1.培養実験モデルを用いた肝芽腫幹細胞の分離と同定、2.肝芽腫幹細胞の特異的活性化遺伝子の検出、3.転移メカニズム解明のための転移誘導因子の分離と同定、4.腫瘍血管新生阻害療法開発に向けた腫瘍血管構築の形態学的解析を目的として研究をすすめてきた。 平成23年度は研究実施計画に基づき肝芽腫細胞培養実験モデルを作成し、この培養系を用いてDNAに結合する色素であるHoechst33342によるフローサイトメトリー解析を実施してSP解析を行い、SP分画ならびにnon-SP(MP)分画の細胞をソーティングした。NOD-SCIDマウスをレシピエントととして、皮下移植法を用いて、ソーティングした各々の細胞群を移植した結果、SP細胞分画に高い腫瘍形成能を有する細胞が限定的に存在することを見い出した。さらに肝芽腫幹細胞の性状を調べている。肝芽腫の発癌ならびに転移・再発の重要なカギを握る「癌幹細胞」の特徴を解明することは、肝芽腫に対する革新的な治療法を開発する上で大きな手がかりを提供する。また、腫瘍血管構築の形態学的解析を目的として、in vivo imagingによる腫瘍血管構築の解明実験に着手した状態である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的の1つである「培養実験モデルを用いた肝芽腫幹細胞の分離と同定」については実験を終え、Hoechst33342によるフローサイトメトリー解析を実施してSP解析を行い、SP細胞分画に高い腫瘍形成能を有する細胞が限定的に存在することを見い出した。また、「腫瘍血管構築の形態学的解析」に対しては、すでに、平成23年度にin vivo imagingによる腫瘍血管構築の解明実験に着手した状態である。
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今後の研究の推進方策 |
「腫瘍血管新生阻害療法開発に向けた腫瘍血管構築の形態学的解析」を目的として、2011年度に本学に導入されたin vivo光イメージング装置「Clairvivo OPT(SHIMADZU)」を用い、SCIDマウス体内の腫瘍形成部位の検索を実施する。現段階ではClairvivo OPT(SHIMADZU)を用いた予備実験が終了した段階である。NOD-SCIDマウスにSP細胞分画を皮下移植し、先の実験結果から平成24年6~7月頃にマウスに肝芽腫の再構築が認められ、本格的な実験を遂行する予定である。
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