顔面神経麻痺への外科的治療の一つとして、クロスリンク手術が挙げられる。われわれは本手術での軸索挙動を解析する為に体細胞が GFP 標識された実験動物を利用し、拒絶反応を起こさせずに非標識のグラフトを移植するモデルの作成を目標に置いた。このため、神経グラフトの脱細胞化の評価、比較を行った。ラットより採取された坐骨神経を高張塩溶液法、界面活性剤法、凍結融解法によりそれぞれ脱細胞化を行った。これらを組織学的に評価した所、モデル動物において口径 1mm 程度の神経グラフトを要するクロスリンク手術では、高張塩溶液法による脱細胞化神経は免疫学的および強度的に適していると考えられた
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