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2010 年度 実績報告書

過酸化水素法による小動物のリンパ系のマクロ解剖とリンパ管変性と再生のメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 22591996
研究機関岡山大学

研究代表者

木股 敬裕  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (50392345)

研究分担者 山田 潔  岡山大学, 病院, 助教 (10319965)
小阪 淳  岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (40243216)
キーワードリンパ / 集合リンパ管
研究概要

1.リンパ管走行の描出
20週齢のウイスター・ラット10個体を用い、過酸化水素法によりラット下肢のリンパ管の詳細な走行を確認し、記録を行った。ラットの下肢の趾尖に色素を混ぜた6%過酸化水素水を注入する。注入された過酸化水素水は組織中の酵素と反応し、酸素の気泡を発生させる。足背から中枢に向かって注意深く皮膚を切開し、皮下組織の剥離を行うと、酸素気泡により膨らんだリンパ管構造が見出される。リンパ管を同定後、プラーで引き伸ばしたガラス(先端径0.1mm程度)を用いて色素を徒手的に注入する。リンパ管に注入された染色液は容易に中枢へ移行し、鼡径部や腹腔内リンパ節まで染色される。顕微鏡に接続されたカメラによりラット10個体20側における下肢のリンパ集合管の走行を観察し、走行分布の記録を行った。
趾尖皮下のリンパ管は足背に集まり、外側伏在静脈、坐骨静脈に沿って上行し、膝窩リンパ節を経て腹側へ向かい、大腿動静脈に沿って上行することが判明した。足内側からのリンパ管は内側の伏在静脈、大腿動静脈に沿って上行し、両者は合流し、主に鼡径靭帯をくぐり、腹腔内のリンパ節へ流入していた。また、大腿動静脈に沿って上行した後に浅下腹壁動静脈と並走し、腹壁皮下へ向かい、鼡径リンパ節に流入する経路があることも明らかになった。
2.ラットのリンパ管組織の観察
抗LYVE-1抗体によりリンパ集合体の免疫組織化学染色を行い、ラット下肢組織の組織的観察を行った。抗LYVE-1抗体はリンパ管内皮細胞を染色するとされる。私達の研究でも、抗LYVE-1抗体よって染色された細胞は、管状構造を作る扁平な細胞であり、上述のリンパ管描出法と2重染色された。従って、抗LYVE-1抗体によるリンパ集合体の免疫組織化学染色法でも、ラットのリンパ管が同定できることが明らかになった。現在、さらに抗podoplanin抗体を用いた染色も試みている。これらの成果を踏まえて、次年次以降のリンパ管の変性、再生の観察に備える。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Use of Indocyanine green fluorescent lymphography for evaluating dynamic lymphatic status2011

    • 著者名/発表者名
      Suami H, Chang DW, Yamada K, Kimata Y.
    • 雑誌名

      Plast Reconstr Surg.127

      巻: 127 ページ: 74e-76e

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 皮弁移植後のリンパ管再生に関する検討2010

    • 著者名/発表者名
      佐藤卓士、木股敬裕、杉山成史、山田潔, ほか
    • 雑誌名

      日本マイクロサージェリー学会誌

      巻: 23 ページ: 64-69

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 岡山大学におけるリンパ浮腫治療の取り組み2010

    • 著者名/発表者名
      杉山成史、山田潔、木股敬裕、Hiroo Suami
    • 雑誌名

      リンパ学

      巻: 33 ページ: 31-35

  • [学会発表] 顕微鏡下リンパ管注入法によるラット集合リンパ管のマクロ解剖解析2010

    • 著者名/発表者名
      松本久美子, 木股敬裕, 山田潔, 長谷川健二郎, Hiroo Suami
    • 学会等名
      第34回日本リンパ学会総会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-06-26
  • [学会発表] 岡山大学形成外科におけるリンパ浮腫患者の診察状況~10年の動向と変遷2010

    • 著者名/発表者名
      山田潔, 木股敬裕, ほか
    • 学会等名
      第53回日本形成外科学会総会・学術総会
    • 発表場所
      金沢
    • 年月日
      2010-04-09

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公開日: 2012-07-19  

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