研究課題/領域番号 |
22592001
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
武田 啓 北里大学, 医学部, 教授 (20197297)
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研究分担者 |
上園 保仁 国立がん研究センター, 研究所, 部長 (20213340)
内沼 栄樹 北里大学, 医学部, 教授 (90146465)
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キーワード | 知覚神経異常 / 疼痛 / 皮膚 / 創傷治癒 / Substance P |
研究概要 |
「知覚神経異常を伴う慢性疼痛の存在下では、皮膚創傷の治癒が遅延している」という仮説を検証する実験系を計画した。これまでに痔痛研究分野で報告されている慢性疼痛モデルを用い、作成動物の皮膚に実験的に創傷を作成することで、知覚異常や痛みの持続と創傷治癒の過程との関連を解析した。慢性疾痛、知覚異常の部位、並びに健常部位の皮膚創傷の治癒機転を経時的に解析するため、まず慢性疼痛動物モデルの作成(アロデニアの作成)を行った。Seltzerらによって1990年に開発されたPartial sciatic nerve ligationモデルに準じた。ラットの坐骨神経を露出し1/3-1/2の部位を、絹糸を用いて結紮することで作成する坐骨神経部分結紮動物モデルである。今年度はこのモデルの再現性について確認を行うこととしたが、現時点では十分な再現性は得られていない。一方、知覚異常部の創傷治癒モデルとして、背部の脊椎神経後根の切断モデルの作成を行った。ラットの脊椎神経後根を切断することで知覚異常の領域を背部に作成した。術後7日目に、知覚異常部の背部に直径15mmの円形の皮膚全層欠損を作成した。健常な部位に作成した創傷の治癒過程と比較検討した。皮膚創傷の上皮化率、収縮率について経時的に評価した。ともに知覚麻痺による影響を受け創傷治癒は遷延した。さらに知覚障害部位の創傷へSubstance Pの局所投与を行うと治癒の改善がみられた。
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