研究課題/領域番号 |
22592005
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
百束 比古 日本医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00165135)
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研究分担者 |
水野 博司 順天堂大学, 医学部, 教授 (80343606)
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キーワード | 骨増生 / 顎骨 / 水平性骨吸収 |
研究概要 |
本研究は、非薄化した顎骨等に対して、「骨増生」を目的とした治療法の開発検討を、間葉系幹細胞と各種成長因子及び足場材料を組み合わせて実施する。間葉系幹細胞としては、脂肪組織由来幹細胞を応用する。 H22年度は、動物実験モデル作製を実施した。Fischer ratの頭蓋骨上にtri-calcium phosphate(TCP)由来の天板部と3本の支柱部からなる足場を植立し、骨増生モデルの作製を試みた。足場材料の設計として、天板部は直径6mm、厚さ1mmとし、支柱部は直径5mmで幅が1mmになるよう成形し、またα-TCPとβ-TCPの2種類の材質を用意した。支柱部を頭蓋骨上に植立する際は、支柱部を植立する部位の骨を歯科用エンジンバーにてドリリングした後、植立した。移植4週後に移植部位を観察した結果、α-TCPとβ-TCP由来の足場材料は、移植した際の足場材料の形状を維持できず、支柱部の破折が認められた。破折部位は主に天板部と支柱部の接合部であり、in vivoでの物理的強度維持が困難であったと推察された。 H23年度は、前年度の結果を鑑み、「骨増生」のための足場材料に物理的強度を加え、かつ組織再生を阻害しない形状の設計に取り組んだ。検証の結果、骨増生のためには足場材料を円柱状に設計し、かつ円柱構造の側面部を多孔性にする形状が最も強度を維持でき、かつ血管新生を阻害しないことがシュミレーション結果から確認された。そこで足場材料の素材としてα-TCPとβ-TCPを応用し、円柱状足場材料を作製した。 H24年度は、作製した円柱状足場材料と脂肪組織幹細胞を組み合わせ、動物実験を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに本研究に使用するα、β-トリリン酸カルシウム(TCP)由来の足場材料の形状を検証することを実施した。結果、平成22年度の予備実験結果を基に、平成23年度中に本実験で使用する足場材料の詳細な形状を決定及び製作するに至った。現在までのところ、当初の研究計画に大幅な変更及び遅れは認められない。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度前半に、作製した足場材料を実験動物の頭蓋骨欠損部に移植し、足場材料のみによる骨増生能を検証する予定である。また後半では多血小板血漿との併用による骨増生、また脂肪組織幹細胞と多血小板血漿との併用による骨増生効果を検証するため、移植実験を実施する予定である。
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