研究課題/領域番号 |
22592006
|
研究機関 | 公益財団法人田附興風会 |
研究代表者 |
石川 奈美子 公益財団法人田附興風会, 医学研究所・第5研究部, 研究員 (00462276)
|
研究分担者 |
鈴木 義久 公益財団法人田附興風会, 医学研究所・第5研究部, 研究主幹 (30243025)
|
キーワード | 再生医学 / 神経科学 / 移植、再生医療 |
研究概要 |
2-120Hz 0.3-0.5mTの可変領域を持つヘルムホイツコイル及び磁場の波形を調整するWF1973ファンクションジェネレーターを注文し当院研究施設内に設置工事を行なった。 ラットの生後1日目の脊髄後根細胞及びシュワン細胞を培養し1日4時間パルス磁場をかけC-AMPの発現が亢進していることを確認した。 また、ラットの坐骨神経を切断し線維芽細胞の侵入を防ぐために顕微鏡下に中枢及び末梢断端の神経上膜を縫合したモデルを作成した。1日4時間パルス磁場をかけ軸索の再生を検討した。免疫組織化学染色にて軸索がコントロールに比し伸長していることを確認した。さらに軸索伸長に最適な波形、時間、周波数を検討中である。 また、軸索の成長円錐に発現するアクチンに着目し伸長の方向との関係を検討中である。 さらに、ラットの中枢神経損傷モデルを作成し検討を行なっている。ラットの脊髄に圧挫損傷を加えたモデルを作成し、損傷部に磁場をかけ、急性期における形成された脊髄内の空洞の状態を、免疫組織化学染色にて観察し軸索伸長を検討中である。 ラットの坐骨神経に8mmの欠損部を作成し、アルギン酸スポンジにて欠損部を架橋したモデルを作成した。軸索が再生する際、シュワン細胞が一旦幼若化してから増殖する事が示唆されたがさらなる検討を必要とする。また、アスコルビン酸を腹腔内投与したが、コントロールに比し軸索再生に優位な結果は得られなかった。今後、アスコルビン酸の濃度を検討していく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
器械の購入及び設定に時間がかかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
また、磁場を生ずる波形を検討し中枢及び末梢軸索伸長に最適な波形、電流及び時間を決定する予定である。 ラットの坐骨神経に8mmの欠損部を作成したモデルに対し、アスコルビン酸投与濃度の再検討を行なうことと、アスコルビン酸を架橋させた人工材料を作成し、担体として欠損部を架橋し軸索再生を検討する。 術後早期に坐骨神経及びシュワン細胞を採取しマイクロアレイを用いて調べ、発現が亢進もしくは低下している遺伝子を絞り込み、Real-TimePCRによる定量的解析も行う予定である。また、作成した標本を免疫組織化学染色法や電子顕微鏡にてシュワン細胞と再生軸索との関係を観察する。長期的には、再生軸索の直径及び再生数を調べる。 ラットの脊髄に圧挫損傷を加えたモデルを作成し、損傷部に磁場をかけ、急性期における形成された脊髄内の空洞の状態を、免疫組織化学染色、電子顕微鏡等を用いて、観察する。マイクロアレイ、Real-TimePCRによる分子生物学的評価や、誘発筋電図、感覚誘発電位等を計測し、電気生理学的評価も行う。これらの結果を統合し、学会及び論文発表する予定である。
|