研究課題/領域番号 |
22592007
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
篠澤 洋太郎 国際医療福祉大学, 大学病院, 教授 (30129465)
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研究分担者 |
野村 亮介 東北大学, 大学病院, 助教 (90400358)
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キーワード | 心肺停止 / 蘇生 / 虚血再還流 / 酸化ストレス度 / 抗酸化力 / 抗酸化物質 / 酸化抗酸化 / 動物モデル |
研究概要 |
目的:現在スタンダードとされている心肺蘇生法は、心肺機能停止後比較的時間が経過した患者では虚血再還流傷害がとくに低酸素に弱いとされる脳の傷害により大きく関与している可能性がある。このような症例において、心肺蘇生法による循環再開と同時あるいは直前に抗酸化物質を投与することにより、救命率とくに脳蘇生が向上するかを検討する。 方法:12週齢の雄性Sprague-Dowley(SD)ラット(200~250g相当)を用い、ネンブタール40mg/kgを腹腔内投与、全身麻酔下にて、仰臥位にて、右頸動脈にカニュレーション、脱血、返血ルートとするした。直腸温(BAT-12,Physitemp Instruments Inc.,USA)尾動脈で脈拍・血圧測定(Model MK-2000)。血圧安定後、頸動脈より脱血。平成22年度の実験結果より、尾動脈での脈拍・血圧測定が不可で、かつ呼吸が停止しない状態となるまで急速脱血、10分後返血、脈拍・血圧が安定した状態が心肺停止蘇生モデルとなりうると考えられた。このモデルを用い、返血直前に右頸動脈より、A群生食水のみ(コントロール群)、B群ビタミンC、C群RDICUT R(エダラボン)、D群エラスポールR(シベレスタットNa)を投与、次いで返血。脱血前、返血直前、返血後5分後の酸化ストレス度(d-ROM)、抗酸化力(BAP)をFRAS4で測定した。返血までに蘇生に至らなかったラット(n=7)はデータ解析より外した。 結果:脱血前値を1とした返血後5分後の値は、d-ROM:A群(n=2)0.71-0.87、B群(n=4、10mg、20mg)0.09-0.28、C群(n=6、0.4mg~6.0mg)0.67-1.30、D群(n=5、0.3mg~10mg)0.72-0.86。BAP:A群0.75-0.91、B群1.14-4.27、C群0.93-1.29、D群0.90-1.18。コントロール群に比し、d-ROMはビタミンC群で低下傾向、BAPはビタミンC群で増加傾向が認められた。 さらに、用量設定、長期予後につき検討を加える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
使用予定の抗酸化物質投与実験まで到達できた。
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今後の研究の推進方策 |
ラットの心肺停止蘇生モデルが作製できたと考えられるが、脳蘇生のさらなる指標を検討したい。
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