心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)が、腎虚血-再灌流による急性腎傷害や造影剤腎症を軽減するかをラットモデルで検討した。ANPは、腎虚血-再灌流による代謝性アシドーシス、肺水腫、血中乳酸濃度、クレアチニン濃度、K濃度の上昇などの急性腎傷害を軽減した。さらにANPは、腎虚血-再灌流による腎や肺組織のTNF-alpha、IL-1beta、IL-6 mRNA上昇や蛋白発現を軽減するとともに、血中IL-1betaやIL-6濃度の上昇も軽減した。これは、ANPが炎症反応を抑制することにより、腎-肺の臓器間のクロストークを妨げることを示唆する。また、ANPの前投与は造影剤腎症を軽減した。
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