研究課題/領域番号 |
22592011
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
松田 兼一 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (60282480)
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研究分担者 |
阪田 治 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (30391197)
森口 武史 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (60422680)
後藤 順子 山梨大学, 医学部附属病院, 助教 (60530102)
針井 則一 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (80377522)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 解析・評価 / 可視化 / 救命 / ソフトウェア開発 / 電子デバイス・機器 / 栄養学 / 生体機能利用 / 情報工学 |
研究概要 |
最終年度として、まず、アルゴリズムのさらなる改良により、30分平均、過去24時間平均のみならず、昨日と本日の24時間平均腸音発生頻度や、昨日および本日の日勤帯、準夜帯、深夜帯別の平均腸音発生頻度の表示が可能となった。これにより、腸蠕動運動の変化がベッドサイドできめ細かく把握出来るようになった。 次に、患者から同意を得た成人重症患者12人に対して約1ヶ月間に渡って本モニタリングシステムを装着した。その結果、重症患者において腸音モニタリング自体は問題無く可能であったが、一部の重症患者においては集音装着貼付部位に発赤等の皮膚病変が出現し、集音装置の患者への装着法に工夫が必要となった。 さらに今年度はICU入室時IL-6血中濃度が100(pg/mL)以上の重症患者を対象に、IL-6血中濃度と腸音発生頻度(回/min)、さらには血糖値と腸音発生頻度の相関関係について検討した。なお、ステロイド投与の有無がIL-6血中濃度や血糖値に影響するため、ステロイド投与群と非投与群に別けて検討した。 その結果、ステロイド非投与群では、IL-6血中濃度と腸音発生頻度に有意な強い負の相関が認められた(R=-0.76, P<0.0001)。この負の相関はステロイド投与群では全く認められなかった。また、血糖値と腸音発生頻度においては有意な相関は認められなかった。このことから、重症患者において、ステロイド非投与下では、IL-6血中濃度が高いほど腸蠕動運動は抑制されることが示唆された。 IL-6に代表される種々の炎症性サイトカイン血中濃度は重症患者の重症度に比例して高値となることが広く知られており、今回、重症になる程腸蠕動運動が低下していることを定量的に証明し得た。以上より、重症患者の低下した腸蠕動運動をどのような治療によって惹起出来るかについて、本モニタリングシステムを駆使して検討していく事が可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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