研究課題/領域番号 |
22592013
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
青木 克憲 浜松医科大学, 医学部, 教授 (20124927)
|
研究分担者 |
間賀田 泰寛 浜松医科大学, メディカルフォトニクス研究センター, 教授 (20209399)
吉野 篤人 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (90240332)
望月 利昭 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (40293641)
|
キーワード | dysoxia / Pd-porphirin / 蘇生 / 微小循環 / endotoxin / DIC / ショック / 輸液 |
研究概要 |
Palladium-porphyrinを使用したphosphoresce ncedecay measurement system (OxyMap system)によりtissue dysoxiaの画像診断を行った。対象は、ウサギ(日本白色種JW/CSK)20匹を使用した。研究第2年度の目標として、エンドトキシンショックモデル(LPS、Escherichiacoli-055 : B5、1mg/kg投与)におけるtissue dysoxiaの病態を検討し、さらに、アンチトロンビンの治療効果について検討した。その結果、tissue dysoxiaの病態については、1)回腸漿膜酸素分圧の低下、組織酸素分圧較差の持続的なマイナス較差を確認し、組織前後における著明な血流シャント現象の発現を認めた。2)血圧低下を反映し、マクロの酸素代謝も著明な低下傾向を認めた。3)組織中における毛細血管間の酸素分圧の不均一性がPd-porphyrin phosphorescenceによる画像的解析により確認された。そこで、微小血栓の形成などDisseminated Intravascular Coagulationの病態を改善し、微小循環機能の調節に有用と考えられるアンチトロンビンの作用について検討した。その結果、血圧低下を反映するマクロの酸素代謝の低下を認める3~4時間後、dysoxiaを改善する画像が得られた。人工酸素運搬体(リポソーム包埋型Hb、粒子径200nm)によるdysoxiaの改善効果については、現在、検討中である。微小循環蘇生に関する新たな治療法としての人工酸素運搬体の作用を解析して行く予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
人工酸素運搬体の生産量が少なく本実験への供与が困難になっている。また、Palladium-porphyrinの生産量が少なく、実験の遅れの原因となっている。OxyMap system自体の光学軸のずれなど、時々光学系の調節が必要となっており、正確なデータを得るために、調節に時間を要している。
|
今後の研究の推進方策 |
所期の目的の達成は困難である可能性がある。平成23年度に得られたデータを根拠に一歩づつ確実に実験を進めて行く所存である。リコンビナント活性化プロテインCはアンチトロンビンに切り替える。L-canavanineの投与は中止する。人工酸素運搬体に関しては、全力でその供給に務める。
|