研究課題
1.当施設での臨床研究【目的】CAM-ICUでのせん妄評価により,人工呼吸患者をせん妄群と非せん妄群に分け,せん妄に関連するバイオマーカーと因子を検討する。【方法】2010年7月~2011年10月にICUに入室した成人人工呼吸患者を対象に,抜管時とその24時間後にRASSとCAM-ICUで鎮静・せん妄評価を行い,同時に生理学的パラメータを記録した。また,2点で院内ルーチン検査と血液検体保存によるサイトカイン,コルチゾール,プロカルシトニン(PCT)などの特殊検査を行った。【結果】せん妄群は12人,非せん妄群は16人であった。2群間で有意差のあったのは,APACHEIIスコア,ミダゾラムの使用,フェンタニルの使用,抜管時・24時間後のRASSスコア,抜管時SOFAスコア,抜管時PCT値,24時間後IL-6値であった。多重ロジステック回帰分析の結果,年齢,ミダゾラムの使用,フェンタニルの使用がせん妄の関連因子であった。2.国内のICUでの疫学研究【目的】日本の人工呼吸されたICU患者のせん妄発症率と転帰への影響を検討する。【方法】24のICUが参加し,2011年の2か月間で180人を登録した。RASSとCAM-ICUで鎮静・せん妄評価を行い,28日転帰,抜管までの日数,ICU日数に対するせん妄または昏睡の影響をCox比例ハザードモデルで解析した。【結果】挿管理由について,大手術(37%),心血管疾患(18%),呼吸器疾患(18%),感染症(8%)であり,115人(64%)がせん妄を発症した。15人(8%)が死亡し,そのうち7人は昏睡のみ,残り8人は昏睡とせん妄を認めた。せん妄のみまたは認知障害を認めなかった患者,すなわちICUで昏睡の認められなかった患者は死亡しなかった。せん妄は昏睡も認めた患者において抜管までの時間短縮とICU日数の短縮に関連していた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Clinical Engineering
巻: 23巻 ページ: 31-37
日本集中治療医学会雑誌
巻: 19 ページ: 154-156
巻: 19 ページ: 99-106