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2010 年度 実績報告書

クラッシュ症候群に及ぼす亜硝酸塩の治療効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22592021
研究機関城西大学

研究代表者

小林 順  城西大学, 薬学部, 教授 (20153611)

研究分担者 大竹 一男  城西大学, 薬学部, 助教 (50337482)
キーワードクラッシュ症候群 / 虚血再灌漑 / 一酸化窒素 / 亜硝酸
研究概要

クラッシュ症候群(crush syndrome : CS)は、広範な骨格筋圧迫等による虚血後の再灌流傷害と考えることができる。心筋や肝臓の虚血再還流モデルにおいて、一酸化窒素(nitric oxide : NO)供与体である亜硝酸が傷害部位での細胞保護作用により傷害を軽減すると報告されている。当該研究においても、CSモデルラットを使い、亜硝酸由来NOと生命予後効果との関連を検討した。CSラットは観察期間48時間の経過で生存率はわずか24%であった。多くは骨格筋虚血後の再灌流数時間のうちの低血圧性ショック、高カリウム血症による心筋伝導障害、心不全、更には遅れて発症する急性腎不全と肺浮腫による呼吸不全が死因であった。注目すべきは、shamラットに比べ、CSラットの傷害骨格筋における著明な内因性亜硝酸濃度の低下で、病態初期における内因性NOの生物学的活性の低下を示唆していた。このCSラットへの100、200、500μmol/kgの亜硝酸の腹腔内投与は、生存率を36%、64%、64%と濃度依存的に改善させた。これらの効果は血液ガス分析、崩壊した骨格筋由来血中逸脱蛋白、心電図所見等の改善と一致していた。亜硝酸のNOを介する血圧降下作用については、投与直後の一過性低下は見られたものの循環動態に影響を与える程ではなく、48時間の観察期間を通して、亜硝酸投与群は、むしろCSラットより有意に血圧を上昇させる効果があった。次年度は骨格筋、肺、腎臓について亜硝酸の効果を組織学的に検証し、さらにその効果を生化学的に裏付けていくことを計画している。なお今回の東北地方太平洋沖地震でもCSが注目される中、我々は内因性NOを介し更なる生存率の向上が期待できる安全且つ実用的な薬物治療を新たに検証中で、亜硝酸治療と並行して実用化のため最大限の努力を尽くしているところである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 亜硝酸剤によるcrush syndromeの治療に関する基礎的検討2011

    • 著者名/発表者名
      小林順, 他
    • 学会等名
      日本薬学会第131年会
    • 発表場所
      静岡グランシップ他
    • 年月日
      20110328-20110331

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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