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2012 年度 実績報告書

歯根形成における上皮・間葉細胞の分化・相互作用・組織構築のパラダイムシフト

研究課題

研究課題/領域番号 22592028
研究機関北海道大学

研究代表者

山本 恒之  北海道大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (80200822)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードセメント質 / セメント芽細胞 / ヘルトビッヒ上皮鞘
研究概要

本研究の目的は、1.ヘルトビッヒ上皮鞘の断裂機構、2.上皮鞘断裂後の上皮細胞の運命、を解明することである。3週齢ラット上顎第一臼歯のパラフィン切片を作成し組織学的,免疫組織化学的に検索した。
1について
デスモゾーム関連蛋白を分解するADAM10とKLK7、基底膜成分を分解するMMP7の三酵素に対する免疫染色を行った。いずれの免疫反応も,未断裂,および断裂しかけたヘルトビッヒ上皮鞘に強い反応が認められた。弱いものの周囲の歯小嚢の細胞にも反応は認められた。以上から,上皮鞘細胞が上記酵素により自ら接着装置を破壊し上皮鞘が断裂する,歯小嚢細胞もそれを手助けする可能性がある,ことが示唆された。
2について
上皮鞘は断裂後、マラッセの上皮遺残となる、アポトーシスを起こす,上皮間葉転換(EMT)によりセメント芽細胞となる,との説がある。アポトーシスをTUNEL法により,EMTの可能性を組織非特異的アルカリフォスファターゼ(TNALP)およびケラチンの二重免疫染色により検索した。TUNEL法では上皮鞘細胞のアポトーシスは認められなかった。上皮鞘末端の上皮細胞はやや強いTNALP免疫反応を示すが,歯根形成が進むにつれて小型化し反応は弱くなった。一方,歯小嚢細胞は歯根形成に伴い大型化し強い免疫反応を示すようになり,上皮鞘の断裂開始領域では明らかに歯小嚢細胞のほうが上皮鞘細胞よりも強いTNALP免疫反応を示した。上皮鞘が断裂しセメント質形成が始まった領域ではセメント芽細胞とみなされる細胞はTNALP免疫反応を示すがケラチンには反応しなかった。もし、EMTが起こっているのであれば、この領域ではTNALPとケラチンともに陽性の細胞(二重染色される)が存在すると思われる。以上の所見は上皮鞘細胞は断裂後にマラッセの上皮遺残として存続し,EMTを起こす可能性は低いことを示唆している。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Histochemical examination of vascular medial calcification of aorta in klotho-dificient mice2013

    • 著者名/発表者名
      Hasegawa T. et al.
    • 雑誌名

      Journal of Oral Biosciences

      巻: 55 ページ: 10-15

    • DOI

      10.1016/j.job.2012.12.003

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Immunolocalization of sclerostin synthesized by osteocytes in relation to bone remodeling in the intraradicular septa of ovariectomized rats2012

    • 著者名/発表者名
      Guo Y, Li M, Liu Z, Sasaki M, Hasegawa T, Hongo H, Tabata C, Suzuki R, Oda K, Yamamoto T , Kawanami M, Amizuka N
    • 雑誌名

      J Electron Microsc

      巻: 61 ページ: 309-320

    • DOI

      DOI:10.1093/jmicro/dfs052

    • 査読あり
  • [学会発表] 長骨の部位による骨細胞ネットワークの立体微細形態の違いについて2012

    • 著者名/発表者名
      山本恒之
    • 学会等名
      骨代謝学会
    • 発表場所
      京王プラザホテル(東京都)
    • 年月日
      20120718-20120721

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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