研究課題
本研究では、口腔癌幹細胞ニッチで幹細胞性維持に関わるプロテアーゼについて、癌増殖・浸潤・転移に重要でかつ細胞外マトリックスに高い分解活性を持つMMPとADAMにターゲットを絞って解析する。これらのプロテアーゼファミリーに特異的なインヒビターを発現するトランスジェニックマウスを用いて、どのプロテアーゼが癌幹細胞のニッチからの離脱に関わるのかを生体内で明らかにする。癌幹細胞に関する情報は限られており、これまでに報告されたマウス癌幹細胞で働くプロモーターの特異性は必ずしも高くなく、インヒビター発現に用いるには問題が多い。一方ニッチについては、皮膚基底細胞癌の間質線維芽細胞がニッチ形成細胞として新たに注目されている。I型コラーゲンプロモーターは線維芽細胞で、働くことが既によく知られていることから、これらのプロモーターとCreリコンビナーゼを用いてTIMP3あるいは変異体TIMP3をコンディショナルに発現するトランスジェニックマウスを作製する。本年度は、マウスI型コラーゲンプロモーターの調節下にCreERT2を発現するトランスジェニックマウスを作製し、さらにこのマウスとユビキタスプロモーターの下流にLoxPに挟まれたpolyAとさらにその下流にTIMP3とLacZ遺伝子をもつトランスジェニックマウスと交配させた。得られた仔マウスをXgal染色して、トランスジーンの発現と局在を確認した。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)
Cells Tissues Organs
巻: In press
Arthritis Rheum
巻: 62 ページ: 1523-1532