研究課題/領域番号 |
22592034
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
岸野 万伸 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教 (60346161)
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研究分担者 |
大倉 正也 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 准教授 (10281130)
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キーワード | 扁平上皮癌 / 前癌病変 / HPV / 細胞診 |
研究概要 |
口腔癌において、タバコとアルコールが重要なリスクファクターであるが、近年はヒトパピローマウイルスも発癌の原因の一つであるといわれている。一方、口腔領域における細胞診の普及率はまだまだ低いが、擦過細胞診による口腔癌検診も日本各地で行われはじめている。これまで我々が、子宮頸部病変の解析をもとに口腔病変におけるヒトパピローマウイルス感染を同定する方法を検討した結果から、少なからずヒトパピローマウイルスが口腔癌の発生に関与する可能性が考えられた。本研究では細胞診にもそれを応用し、細胞診断およびヒトパピローマウイルス検出システムを構築することを目的とし、具体的には、口腔白板症と扁平上皮癌症例からえられた検体を用いて細胞診の診断基準を確立し、また、同時にヒトパピローマウイルス遺伝子の解析を行い発癌との関連について調べた。 今年度までに、研究分担者が所属する診療科から、扁平上皮癌あるいは前癌病変が疑われる症例の細胞診の依頼は約50件であった。ブラシを用いた擦過材料から、パパニコロウ染色標本を作製し1、細胞診断を行った。また、ブラシに付着した残りの検体からDNAを抽出し、コンセンサスプライマーを用いたPCR法と、倉敷紡績株式会社に依頼して行ったHPV typing法によりヒトパピローマウイルスの検出を行った。細胞診断に関しては、後に組織診を行った症例について結果を比較したところ、大きな違いが認められたものはなかった。HPVについては、コンセンサスプライマーを用いたPCR法でもHPV typing法においても陽性所見が得られた症例はなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細胞診の精度は上がってきており、検体数も安定している。HPVの検査を行った症例数も50症例を越え、目標としていた数は達成できた。
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今後の研究の推進方策 |
HPVが検出される症例は少ないと予想していたが、これまで50症例あまり検討したにも関わらず、1例も検出されなかった。この結果から、口腔癌の発生にHPVはほとんど関与しないことがわかったので、今後は細胞診断の精度を上げるために、主に免疫組織化学的な手法を用いて診断法を検討する。
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