研究課題/領域番号 |
22592043
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
後藤 哲哉 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (70253458)
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研究分担者 |
小林 繁 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (10118078)
片岡 真司 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (80364149)
郡司掛 香織 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (90448811)
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キーワード | 歯周組織 / オステオアクチビン / 歯根膜細胞 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 / 歯牙移動 / 免疫染色 / RT-PCR |
研究概要 |
オステオアクチビン(OA)は骨硬化症のモデルラットよりその原因遺伝子として分離同定された分子であり、当初は骨芽細胞の骨形成を促進する分子であると考えられていたが、近年、ガン細胞や線維芽細胞にもOAの発現が報告されている。我々も以前の研究で、歯根膜線維芽細胞(PDL)にもOAが発現していることを見いだした。本年度の研究ではin vitroでヒト歯根膜線維芽細胞に伸展力を加えて行った。実験には矯正治療の為に便宜抜去した健全な歯の歯根膜より分離したヒト歯根膜線維芽細胞を用いた。伸展力を加えるためにまず、専用のストレッチチャンバーにフィブロネクチンをコートして各チャンバーに10万個ずつ播種しコンフルエントに近い状態まで培養した。その後、ストレッチチャンバーを細胞伸展装置STB-140に装着し1分間に3回15%の伸展を繰り返し24時間繰り返しする場合と、3時間かけて15%伸展しそのまま24時間維持する群とを行った。細胞伸展了後、細胞のタンパクとmRNAを回収し、OAのタンパク発現をウエスタンブロット法で、遺伝子発現をRT-PCR法で調べた。その結果、細胞伸展群と非伸展群はいずれもOA発現が認められたが、有意な差は認められなかった。前年度のOAの組織像でも考えられたことであるが、細胞伸展ではOAそのものの発現よりもOAの細胞外ドメインを切断するADAM10の発現に細胞伸展が影響する可能性があるので、次年度では、培養上清のOA量の測定をELISA法で調べ、同時に細胞伸展時のADAM10の発現を調べる計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画ではヒト歯根膜線維芽細胞に伸展力を加え、オステオアクチビンの発現変化とオステオアクチビンの細胞外ドメインの切断に関与する金属プロテアーゼADAM10の発現を調べる予定であったが、当初予定になかった機械的伸展装置が使えることになり、その伸展装置を使っての実験で至適伸展量を探すのに時間がかかってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
現在、上記伸展装置を使った伸展方法が確立したので、当初の予定どおりヒト歯根膜線維芽細胞に伸展力を加えた時のオステオアクチビンの発現、オステオアクチビンの細胞外ドメインの分離に関与する金属プロテアーゼADAM10の発現について調べていく予定である。
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